今回の総額は、昨年のザ・ヘンダーソンでの記念的な初セールと比較すると下回っているものの、クリスティーズのCEOボニー・ブレナンは市場全体の健全性を強調する。「ここ数年、最大の課題は供給の確保でした。今年上半期のクリスティーズのグローバル売上は21億米ドルで前年と同水準です。市場の減速を指摘する声もありますが、私たちは非常に安定した段階に入ったと考えています。質の高い作品を提供できれば、需要は確実に存在します」と述べた。
また、ライブオークションだけでなく、オンラインセールやプライベートセールなど顧客との接点を多様化させている点も指摘し、「単発のセール結果だけではなく、年間を通じたグローバルな数字を包括的に見てほしい」と語った。
クリスティーズは10月にロンドン、11月にニューヨークでも貴重な作品が集まる20・21世紀美術イブニングセールを予定している。変化の激しい市場環境のなかで、香港での今季初のイブニングセールは、アジア市場におけるクリスティーズの存在感を改めて示す結果となった。適切な価格設定で質の高い作品が出品されれば、需要は揺るがないという確信とともに、秋のセールシーズンは幸先の良いスタートを切ったといえる。



















