秋の京都を舞台に。「CURATION⇄FAIR Kyoto」が初開催へ【2/2ページ】

 併催企画として、名勝・渉成園(枳殻邸)では東京美術倶楽部による「工+藝 京都 2025」が開催される。創立120年を超える歴史を持つ同倶楽部が、現代の工芸界を牽引する46名の作家の作品を京都で披露するのは初めての試みであり、「工」と「藝」の融合による工芸の新たな可能性を提示する場となる。

渉成園での展示風景

 さらに、渉成園では通常非公開の園林堂内「棟方志功」襖絵の特別公開や、和舟遊覧、庭師による解説付きガイドツアー、裏千家の呈茶席など、文化体験型の特別プログラムが用意される。夕刻からは、庭園を幻想的に照らす「渉成園 秋灯り」も行われ、昼夜で異なる魅力を楽しむことができる。

渉成園 園林堂内「棟方志功」襖絵
渉成園 夜間特別拝観のライトアップ

 限定プログラムとして注目されるのが、大原山荘で開催される花会「水為花祈」。現代華道家・杉謙太郎による花の儀式を中心に、書家や雅楽との共演、さらに庭園空間を舞台にしたパフォーマンスが繰り広げられる。来場者は自然と芸術が交錯する特別な体験を得ることができる(花会は招待制で、1日30名限定で実施)。

 妙顕寺、渉成園、大原山荘という京都ならではの文化資源を舞台に、古今東西の美術を横断的に提示する本フェアは、秋の京都を彩る新たな文化的拠点として期待される。

編集部