韓国を代表するアートフェア「Kiaf SEOUL」に今年も注目。20カ国以上から175のギャラリーが出展【3/3ページ】

 さらに今年の特別展「Reverse Cabinet」は日韓国交正常化60周年を記念し、韓国からドン・ソンピル、ユム・ジヘ、チョン・グムヒョン、オ・カイ、日本から竹村京、髙橋銭の作品を展示。本展はソウル・イルミン美術館のチーフキュレーターでありキュレーション・プラットフォームWESS共同ディレクターのユン・ジュリと、東京のオルタナティブスペース「The 5th Floor」共同ディレクターの岩田智哉が共同キュレーションを担当する。両者の専門性を生かし、収集と展示の芸術的言語の進化を探りながら、収集行為を現代美術における重要な選択と表現のかたちとして位置づけ、産業素材、デジタル画像、インターネット・ミーム、アーカイブ映像、無形の体験やデータなどを用いて構築される層状の越境的対話を提示。「所有」ではない「創造」としてのコレクションの可能性を探るという。

Kiaf SEOUL 2024
Kiaf SEOUL 2024

 「Kiaf HIGHLIGHTS」では、出展者が選出した新進アーティストを特集。Kiaf委員会が応募作品を精査し、最終候補10名を決定する。フェア開催前には公式SNSやウェブサイト、カタログで紹介とインタビューを行い、学術研究者、キュレーター、美術専門家による審査で3名を選出、9月3日にそれぞれ1000万ウォンを授与する。

Kiaf SEOUL 2024

 今年も東アジアの現代美術を牽引するプログラムがそろった「Kiaf SEOUL」。日本から訪れる価値は大いにありそうだ。