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5回目の台北當代が開催へ。78のギャラリーが参加、市内の美術館でも多彩な展覧会が同時開催

The Art Assemblyの主催による第5回の「台北當代(タイペイダンダイ)アート&アイデア」が、台北南港展示センターで開催される。会期は5月10日〜12日。

文=王崇橋(ウェブ版「美術手帖」編集部)

台北當代2023の会場風景 Courtesy of Taipei Dangdai

 ART SGTokyo Gendaiなどのアートフェアを主催するThe Art Assemblyによって、第5回の「台北當代(タイペイダンダイ)アート&アイデア」が5月10日〜12日の会期で台北南港展示センターにて開催される。

 今年のフェアには、世界19の国と地域から78のギャラリーが参加。デイヴィッド・ツヴィルナーやペロタン、Eric Firestone Gallery 、Galleria Continua、Tina Keng Gallery などのブルーチップギャラリーを再び迎えるいっぽう、Bowman Sculpture、Cuturi Gallery、FOUNDRY SEOUL、Jahn und Jahn、Praise Shadows Art Gallery、Polografa Obra Grafica、The Columns Galleryなど33のギャラリーが初めて参加する。

 今回は、個展形式や著名アーティストに焦点を当て、新たな文脈でキュレーションされたプログラムを展開する「Evoke」部門が新設される。また、メイン部門「Galleries」に加え、アジアの多様な伝統美学や対話を通して現代を体現した展示を行う「Engage」部門や、新進気鋭のアーティストを紹介する「Edge」部門、大規模かつ没入型インスタレーション作品を展示する「Node」部門も展開される。

アントニー・ゴームリー OPEN PONDER 2022 Courtesy of Galleria Continua. Photo by Stephen White & Co.

 5回目の開催に際し、フェア共同ディレクターのロビン・ペックハムは「美術手帖」の取材に対して「私たちのセクターがギャラリーのエコシステムの実態に合うように、フェアの形式をつねに改良している」とし、次のように述べている。

 「台湾のコレクターや世界中のギャラリーコミュニティとの協力のもと、私たちは、アートマーケットが求めているものを追いかけ、それを提供しようとするいっぽうで、マーケットをリードし、新鮮で刺激的なプレゼンテーションをもたらし、促進できるところに目を配り、バランスをとりながら行動している」。

ファイカー・ソロモン Web of Life 10 2023 Courtesy of Afriart Gallery

 同フェアは、今年初めて台湾の文化部と共同で企画展を開催する。「Before Thunders」と題された本展では、ジアン・チェン、マーティン・ゲルマン、エスター・ルー、ウォン・ビンガオといった、過去に同フェアのアイデア・フォーラムに参加した国内外の4人のキュレーターによって選ばれた台湾の中堅アーティスト12人の作品を紹介する。

 「この展覧会は、台湾の様々な分野のアートに国際的な注目を集めるという私たちの中核的な使命を反映したもの。私たちにとって、台湾の活気あるアートシーン全体で公的機関や民間団体とパートナーシップを築くことは重要であり、今年このプロジェクトが始動するのを来場者の皆さんに見ていただくのが待ち遠しい。キュレーターやライター、アートアドバイザーが台湾のアートシーンを目にし、ここで何が起きているのかに気づく瞬間だ」(ペックハム)。

ジャスティン・ウィリアムズ I’m not there yet, but if we had guests over Oswaldo and Norma’s house and brought an extra chair from home 2022
Courtesy of COMA

 また、今年のフェアと同時期に、台北市内の美術館や文化機関でも様々な展覧会が行われる。ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツとの共催により南アフリカのアーティスト、ウィリアム・ケントリッジによる台湾初の大規模個展が台北市立美術館で開催。台北・信義地区に新たに開館するレンゾ・ピアノ設計の富邦美術館(Fubon Art Museum)は「True Nature: Rodin and the Age of Impressionism」展、奇美博物館(CHIMEI Museum)は、ラファエル、ティツィアーノ、カラヴァッジョ、レンブラント、コンスタブル、モネ、ヴァン・ゴッホなどの作品を含む、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの巡回展を開催するほか、忠泰美術館(Jut Art Museum)、Foundation for the Exhibition of Photography、韓国の国立現代美術館が主催する写真展「文明:今私たちが生きる方法」や、洪建全財団支援による台湾人アーティスト・致穎の個展なども開催予定だ。

 コロナ禍以降、台湾のアートシーンに見られた変化についてペックハムはこう述べている。「台湾は、成長するアジアのアートマーケットにおいて重要な役割を担っており、地域のフェアはより広いアートエコロジーを維持するためにますます重要になっている。台湾のコレクターは、コロナ後においても、世界のオークション・システムにおいてもっとも重要な位置のひとつを占め続けている。近年の台湾のアートシーンの回復力には目を見張るものがあり、フェアでの好調な売上は、パンデミック後も地元市場で継続されている」。

クリス・ヒュン・シンカン Balltsz 2022 Courtesy of Ota Fine Arts

 またペックハムは、同フェアが「アジアに焦点を絞っている」ことを強調している。今年は、日本からアートフロントギャラリーやGALLERY TARGET、Kaikai Kiki Gallery、KOTARO NUKAGA、MAKI Gallery、Ota Fine Arts、SCAI THE BATHHOUSE、小山登美夫ギャラリーなどが参加。台湾のマーケットを重要視することを反映している。

 ペックハムはこう続ける。「現在のマーケットの状況を見ると、台湾が今年、アジア全域のプライマリーマーケットで活躍するギャラリーをサポートするための積極的な役割を果たせることを願っている」。

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