1981年創業の現代美術ギャラリー「Zeno X Gallery(ゼノ・イクス・ギャラリー)」(アントワープ)は、ファッションデザイナーとして知られるマルタン・マルジェラが同ギャラリーに所属したことを発表した。同ギャラリーはミヒャエル・ボレマンス、マーク・マンダース、リュック・タイマンスなどの作家を取り扱っている。
マルタン・マルジェラは、ファッションブランド「メゾン・マルタン・マルジェラ」(現メゾン・マルジェラ)の創設者兼デザイナー。公の場に素顔を出さず、匿名性を貫いたことでも知られ、2008年にはファッションの表舞台から姿を消した。しかしながら近年、パリでマルジェラ本人がディレクションする展覧会「MARGIELA GALLIERA 1989/2009」展(2018)が開催。また『We Margiela マルジェラと私たち』(2019)や『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』(2021)といったドキュンタリー映画が相次いで公開されるなど、引退後もマルジェラは大きな存在感を放っている。
Zeno X Galleryによると、マルジェラはファッション業界を離れて以来、ビジュアル・アートに専念。絵画や彫刻、インスタレーション、コラージュ、映画など、幅広いメディアで作品を制作しているという。
マルジェラは10月20日からパリのLafayette Anticipationsで初個展を開催予定で、ベルギーでの初個展は22年春が予定されている。同ギャラリーはマルジェラの作品について、「素材に対する卓越した感性と相まって、未知のものや驚くべきものに捧げられている」と評している。今回のギャラリー所属を機に、その作品が広く知られることとなるだろう。