6月11日〜18日、クリスティーズが17世紀初頭につくられたレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》の複製画のシングルセールをオンラインで開催する。
同作は17世紀初頭にダ・ヴィンチの追随者によって制作されたものとされており、1950年代にこの作品をフランス・ニース地方の骨董屋から購入したコレクターのレイモンド・ヘッキングにちなんで、「ヘッキングのモナ・リザ」とも呼ばれている。予想落札価格は20万〜30万ユーロ(約2700万〜4000万円)。
1911年にはルーヴル美術館で《モナ・リザ》の盗難事件が発生し、その2年後に作品は発見され美術館へと戻された。しかしながらヘッキングは戻された原画の真正性を疑い、自分の作品こそがオリジナルであると主張。60年代には同作をアメリカ・ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリーやメトロポリタン美術館に貸し出すことによって、その擁護に多大なエネルギーを注いだ。
また同作は、2011年〜12年にかけてBunkamura ザ・ミュージアムや静岡市美術館、福岡市美術館でも展示。クリスティーズのオールド・マスター・インターナショナル・ディレクターであるピエール・エチエンヌは、同作は「モナ・リザがつねにインスピレーションを与え、そのますます増やす魅力の完璧な実例だ」と評価している。
《モナ・リザ》の原画は、ダ・ヴィンチが1519年に死去後にフランスのフランソワ1世の王室コレクションに収蔵。17世紀以降、ダ・ヴィンチの追随者がいくつかの複製画を制作し、そのうちの1点は2019年にサザビーズで競売にかけられ、最高予想落札価格12万ドルの14倍以上となる約170万ドルで落札された。