クリスティーズがイブニングセールを再編。その狙いとは?

今年5月よりクリスティーズが従来の「印象派・近代美術」「戦後・現代美術」イブニングセールを「20世紀美術」と「21世紀美術」イブニングセールに再編すると発表した。

クリスティーズ20世紀・21世紀美術イブニングセールの特設サイトより

 今年5月にニューヨークで開催されるオークションを皮切りに、クリスティーズが従来の「印象派・近代美術」「戦後・現代美術」イブニングセールを「20世紀美術」と「21世紀美術」イブニングセールに再編することが発表された。

 「20世紀美術」は1880年代から1980年代までの作品を取り扱うこととなり、印象派の巨匠たちからキュビズム、シュルレアリスム、抽象表現主義のアーティスト、そしてパブロ・ピカソからアンディ・ウォーホルまでのスター的なアーティストの作品がラインナップされることになる。

5月11日に開催される20世紀美術イブニングセールに出品予定のパブロ・ピカソ《Femme assise près d'une fenêtre(Marie-Thérèse)》(1932) 出典=クリスティーズのウェブサイトより

 新たな20世紀美術イブニングセールの共同責任者であるヴァネッサ・ファスコは、「20世紀の出来事は、現代においてもっとも創造的で示唆に富む芸術運動を生み出した。科学、文学、哲学、産業の分野で比較的凝縮された期間にもたらされた深遠で即時的な変化は、芸術に根本的な変化をもたらした」とコメントを発表している。

 いっぽうの「21世紀美術」は、1980年代以降の作家が対象となり、ジェンダーや人種、社会批判、環境やテクノロジーに重点を置く現代アーティストの作品に加え、ストリート・アートやNFT作品もカバーする。

5月13日に開催される21世紀美術イブニングセールに出品予定のLarva LabsのNFTシリーズ「CryptoPunks」(2017) 出典=クリスティーズのウェブサイトより

 21世紀美術イブニングセールの責任者であるアナ・マリア・セリスは、次のように期待を寄せている。「今世紀のアートは、私たちが生きている世界に語りかけるもので、私たちの挑戦、勝利、失望、喜びをさらけ出している。コレクターはまさにこの理由でアートに惹かれるのだ」。

 クリスティーズは、今回の再編によって両世紀にわたるアーティストやムーブメント、年代間の力強い新しい対話とつながりを促進するとしている。5月11日にはこの再編後初めてとなる大型のイブニングセールが開催予定だ。

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