今年3月に開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で5月に延期されたアジア最大級のアートフェア「アート・バーゼル香港2021」(ABHK)が、今年の出展ギャラリーのリストを発表した。
今年のフェアには、23の国と地域から104のギャラリーが参加。この数字は、19年の242ギャラリーから半分以上減少しており、渡航制限などコロナ禍の影響により国際的なアートフェアが依然として苦戦していることがわかった。
こうした状況を受け、ABHKは香港に渡航できないギャラリーに向けて56のサテライトブースを設置。ブース内にはバーゼル側によるアシスタントが配置され、各出展ギャラリーは小規模な企画展示を行うことができる。
また、シルバーレンズとロッシ&ロッシ、マイヤー・リーガーとシエス+ホーク、アンテナ・スペースとバリス・ハーツリングなどの国際的なギャラリーが共同ブースのかたちで出展。イタリアを代表する8つのギャラリーによる共同ブースや、1940年代以前に制作された骨董品やオブジェをテーマ別に展示する「ファインアート・アジア・パビリオン」も特別に設けられる。
加えて、ライブ配信プログラム「アート・バーゼル・ライブ:香港」も実施。リアルなフェアと並行し、オンライン・ビューイング・ルームやスペシャル・イベントのほか、会場となる香港コンベンション&エキシビション・センターや香港市内のVIP向けのライブ放送やバーチャル・ウォークスルーなどが行われる。
アート・バーゼルのディレクター・アジアであるアデリン・ウーイは声明文で、「アート界が現在の状況に適応していく様子を目の当たりにして、本当に感動しました。今年も香港での展示にご協力いただいた参加ギャラリーの皆様に深く感謝します」と感謝を述べつつ、次のようにコメントしている。
「今回も、香港の機関や非営利団体が、アートバーゼル香港と並行して様々なプログラムやイベントを開催し、全面的に支援してくれました。サテライトブースやデジタルサービスの拡大など、ギャラリーをサポートする新しいモデルを導入し、『アート・バーゼル・ライブ:香港』でギャラリーの国際的な活動を増幅させることができることを嬉しく思います」。
なお日本からはタカ・イシイギャラリー、Kaikai Kiki Gallery、NANZUKA、TARO NASU、Take Ninagawaなどが参加する。