毎年12月にマイアミで開催されてきた、「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」のサテライトフェアのひとつとして知られているアートフェア「NADA Miami」。
新型コロナウイルスの影響で国際的なギャラリーが現地に集まることが不可能となっている今年、同フェアが、各都市の参加ギャラリーとコラボレーションして現地で行われる「NADA Miami アートフェア」をオンラインアートフェアと並行して開催する。
12月1日〜5日に開催を予定されている同フェアには、47のNADAメンバーと27の初出展者を含む、44都市から97のギャラリーが集結。オンラインアートフェアのほか、それぞれの参加ギャラリーは、サンフランシスコ・ベイエリア、ブリュッセル、シカゴ、デトロイト、リマ、ニューヨーク、パリ、リガ、東京、トロント、ワルシャワなど、複数の地域で物理的な展覧会を行う。
東京はMISAKO & ROSENを会場にし、MISAKO & ROSEN 、KAYOKOYUKI 、im labor 、XYZ collective 、Satoko Oe Contemporary 、4649といった6つのギャラリーが集結して出展。トレバー・シミズ、マーガレット・リー、南川史門、大田黒衣美、諏訪未智など11人のアーティストの作品を紹介する。会期は12月2日〜13日。
NADA Miamiの主催者は、声明文で次のようにコメントしている。「NADA Miamiは、今後も世界中の新進気鋭の才能を称えることに専念していく。2020年のフェアの来場者は、地元の街でギャラリーの展覧会を直接体験できるほか、新たにデザインされたデジタル・プラットフォームを通じ、オンラインで最高の現代アートを発見することもできる」。
また会期中には、バーチャル・プログラミング・シリーズも展開。カレン・フィンリー、レイチェル・メイソン、アマンダ・ロス・ホウ、マヤ・ストーバルなどのアーティストやアート専門家が、対談やパフォーマンスを行う予定となっている。
新型コロナウイルスの影響が長引くなか、ギャラリーやアートフェアの主催者は様々な試みを始めている。今年のアート・バーゼル・マイアミ・ビーチの開催中止を受け、メキシコに拠点を置く10のギャラリーは、アート・バーゼルのオンライン・ビューイング・ルール「OVR:マイアミ・ビーチ」と並行し、キシコシティ中心部にある別荘「カサ・バーサレス」で小規模な展覧会を開催する。
また日本国内では、21年2月に京都の国立京都国際会館に新しい形式のアートフェア「Art Collaboration Kyoto」が誕生。小山登美夫ギャラリーやNANZUKAなど日本のギャラリーが「ホスト」となり、日本国外に本拠地のある23のギャラリーを「ゲスト」として迎え、ブースを共有して出展する。
コロナ禍において人々の往来が遮断されているなか、これらの新しい取り組みはどのような効果をもたらすのか。注目したい。