2018年6月4日にパリで開催されたオークションで、フィンセント・ファン・ゴッホの油彩画《砂丘で網を修理する女性たち》が706万5000ユーロ(約9億700万円)で落札された。
ゴッホのよく知られている作品は1886年のパリ在住時代から88年のアルル滞在中の作品で、82年に描かれた本作はゴッホが画家を志したごく初期の作品。牧師の道を諦め、画家を目指したゴッホは82年から画家の従兄弟を頼ってオランダのハーグに滞在しておもに風景画を描いていた。本作もその時期に描かれたと見られ、田舎で働く人々という主題からはバルビゾン派からの影響も見られるとオークション会社・アールキュリアルの西洋美術史担当者のブルーノ・ジョベールは指摘している。
予想落札価格は、300万〜500万ユーロ(約6億5000万円)と見られていたが、それを大きく上回る706万ユーロ(約9億700万円)という額がついた今回。落札したのは北米のコレクターだという。
なお、同オークションのほかの結果は、ポール・ゴーギャンの油彩画《クロード・アントワーヌ・シャルル・ファーブの肖像》が24万ユーロ(約3072万円)をつけたほか、メアリー・カサットのパステル画《帽子をかぶった少女、もしくは少女の頭部》が29万ユーロ(約3712万円)、フェルナン・レジェの油彩画《機械的要素》が180万ユーロ(約2億3000万円)、ザオ・ウーキーの油彩画《1.6.88》が351万ユーロ(約4億5000万円)にて落札された。