映画監督、脚本家、プロデューサー、そして画家など様々な肩書きを持つデヴィッド・リンチ。1976年の長編デビュー作『イレイザーヘッド』以降、『エレファント・マン』(1980年)や、『ワイルド・アット・ハート』(1990年)、そして日本でもヒットしたテレビドラマ『ツイン・ピークス』など数々の作品を手がけ、映画界のカリスマとして現在も強い存在感を放ち続けている。
そのリンチに2年半もの間、密着撮影したドキュメンタリー映画が『デヴィッド・リンチ:アートライフ』だ。
本作では、アメリカの小さな田舎町で家族と過ごした幼少期や、アーティストとしての人生に憧れながらも溢れ出る創造性を持て余した学生時代の退屈と憂鬱など、映画監督にいたるまでの過去をリンチが語る。
リンチが自身のアトリエでキャンバスに絵を描く姿や、愛娘とのひとときなど、そこにはありのままの姿が淡々と映し出されている。
監督は、これまでリンチのドキュメンタリー映画『リンチ 1』(2007年)を手がけたジョン・グエン。
25時間分の映像から選りすぐられた88分を通して、鬼才デヴィッド・リンチの頭の中を垣間見るような体験ができるだろう。