岡山芸術交流、2019年に第2回開催決定。アーティスティックディレクターはピエール・ユイグ

2016年に岡山市内で初めて開催された国際芸術祭「岡山芸術交流」の第2回が2019年9月から開催されることが決定した。アーティスティック・ディレクターはピエール・ユイグが務める。

ピエール・ユイグ 未耕作地 岡山芸術交流2016

 「岡山芸術交流」は岡山市を舞台に、2016年10月9日〜11月27日の会期で第1回が開催された国際芸術祭。

 岡山に拠点を置くストライプインターナショナル代表で、自身アートコレクターとしても知られる石川康晴が総合プロデューサーを務め、総合ディレクターの那須太郎(TARO NASU代表)、アーティスティックディレクターのリアム・ギリックとともに、「開発 Development」をテーマに開催。国内外から31組のアーティストが参加した。

岡山芸術交流2016よりピーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス《よりよく働くために》(右)、 ローレンス・ウィナー《1/2 はじまった 1/2 おわった たとえいつであろうとも》 (左)の展示風景

 のべ23万4136人が訪れ、20億円以上の経済効果(ともに主催者発表)を生んだという同芸術祭の初回。その第2回の開催が、2019年に決定したことが明らかになった。

 メインの会期は9月下旬~11月下旬の50日間程度で、会場は前回同様、岡山市中心部の岡山城・後楽園エリアで、徒歩移動可能な範囲で複数会場が設けられる。

 また、アーティスティックディレクターは、前回展で3作品を出品したフランスのアーティスト、ピエール・ユイグが務めることも同時に発表された。

 ユイグは1962年フランス生まれ。パリとニューヨークを拠点に制作活動を行っている。90年代から、映画の構造を利用してフィクションと現実の関係を探る映像作品や、美術館、展覧会などに潜む制度に注目したプロジェクトを多数発表。2001年には第49回ヴェネチア・ビエンナーレで審査員賞を受賞し、同年、第1回横浜トリエンナーレに参加。2002年にはヒューゴ・ボス賞を受賞。その後も、ドクメンタ13(2012)や第10回光州ビエンナーレ(2014)など数々の大規模国際展に参加。今年に入ってからは、10年に一度の芸術祭「ミュンスター彫刻プロジェクト2017」(ドイツ)に参加。元アイスリンクを舞台にした巨大なインスタレーション《これからの人生のあと》が注目を集めた。

 総合プロデューサーの石川は、岡山芸術交流2019について以下のようにコメントしている。「『人と科学の共生』が大きなコンセプトになる。このコンセプトをもとに、ピエール・ユイグがテーマを設定していく。人間はAIやロボットといったものと共生していかなければならない。大人だけでなく、この街の未来を担っていく子供たちに、そういったことを考えるきっかけを与えていきたいと思っている。アートを媒介としながら人と科学の共生を伝えていきたい」。

 なお、第2回のテーマや具体的な開催期間、展示場所などを定めた基本計画は、18年3月に発表予定だという。

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