アレキサンダー・ワンの親子がニューヨークのチャイナタウンに文化施設「The Wang Contemporary」を開設【2/2ページ】

 開館を飾るのは、旧正月にあわせて開催される、アート・コレクティブMSCHFによる3日間限定のパフォーマティヴ・インスタレーション《20,000 Variations On A Paper Plane In Flight》(2月20日〜22日)だ。中央の吹き抜けから、赤と金色の紙飛行機が1時間ごとに舞い落ちるこの作品は、作曲家・ピアニストのユン・ヨンジュンによる即興的に変化するピアノ演奏とともに展開される。

MSCHF 20,000 Variations On A Paper Plane In Flight Courtesy of The Wang Contemporary

 紙飛行機一つひとつには、英語でもっとも頻繁に使われる名詞5000語のなかから選ばれた一語が記されている。無作為に観客のもとへと降り注ぐそれらは、占いや託宣のような性格を帯び、訪れた人々は紙を拾い、開くことで、自らに割り当てられた「言葉」と出会うことになる。

 また、2026年を通じて同施設では、アジア文化に焦点を当てた多彩なプログラムが予定されている。5月のアジア・太平洋系米国人の文化遺産継承月間(AAPI Heritage Month)には、武術をテーマとしたフェスティバルを開催予定で、視覚芸術やパフォーマンス、インスタレーション、地域参加型のアクティベーションを通じて、建物そのものが「生きた文化の場」へと変貌する。

 歴史的建築の再生、アジア系の物語の可視化、そして地域と世界をつなぐ創造的ネットワークの構築──The Wang Contemporaryは、ニューヨークという都市の文化地図に、新たな座標軸を刻む存在となりそうだ。