重要文化財「旧奈良監獄」を活用。星野リゾートが「奈良監獄ミュージアム」を開館へ【2/2ページ】

 なお、同館は星野リゾートにとっては初のミュージアム事業。それを支えるクリエーター陣として、アートディレクターに21_21 DESIGN SIGHT ディレクター兼館長である佐藤卓が就任した。

魅力的で貴重な建築として残る奈良監獄をミュージアムにするという企画の面白さにまず惹き込まれました。私が長年取り組んできたデザインの視点で物事を解剖する手法も取り入れながら、時間を掛けて内容を詰めてきました。罪と罰を考察すると、自由とは何かという深い世界にも触れることになり、様々な角度から試行錯誤を繰り返してきました。そして現代の刑務所もあるべき姿を模索し続けていることをこの仕事で知りました。来館者の皆様に、様々な問い掛けをする展示になっていれば幸いです。(佐藤のコメント、プレスリリースより)
奈良監獄ミュージアム シンボルマーク

 また「Museography Supervisor」として、ルーヴル美術館ランス別館や、ロイヤル・アカデミーなど、世界13ヶ所以上の美術館の常設展示デザインを手がけてきたアドリアン・ガルデールが参加する。

これまでの知見を余すことなく活用して、奈良監獄のコンテキストを読み解き、そして紡ぎながら「建築遺産」を「ミュージアム」として生まれ変わらせることに取り組みました。世界に展開したハビランドシステムの歴史、刑務所での被収容者の体験を知り想像することは、人々の普遍的なテーマについて考える糸口を提供し、それらを巡るジャーニーは訪れる皆様を惹きつける体験になるでしょう。皆様の来館を心よりお待ちしております。(ガルデールのコメント、プレスリリースより)

 なお星野リゾートはこの旧奈良監獄の敷地内で、奈良監獄ミュージアムと付帯のホテル事業を展開。2026年に、ラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」の開業も予定している。