東京・港区の高輪ゲートウェイ駅に隣接した南北約1.6キロメートルに及ぶ再開発地区「TAKANAWA GATEWAY CITY」が、2025年3月27日に街開きし、「THE LINKPILLAR 1」と高輪ゲートウェイ駅が全面開業。さらに、26年春には残りの棟も完成し。全体開業する。
この全体開業時に開館するのが、総合文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」だ。外装デザインアーキテクトは隈研吾建築都市設計事務所が担当。地上6階、地下3階の低層建築で、地下3階には約1200人収容のライブ・パフォーマンス空間「BOX1000」が、地下2階には開催中のプログラムや参加クリエイターに関連する書籍やグッズなどのアーカイヴが並ぶ本棚「メディアシェルフ」が誕生する。
さらに2階にはDJやパブリックビューイングが開催できるオルタナティブ・スペース「BOX300」、4階には約200平米の畳スペース「TATAMI」を設置。そして5階には約1500平米の展示室「BOX1500」が設置され、大規模な展示やイベントも実施される。
ほかにも、1階エントランスでは、本施設の工事中に発見された日本初の鉄道が走った高輪築堤跡を見渡せるほか、6階には「月見テラス」と足湯が、屋上庭園では草木や果樹、野菜の栽培などが行われる。
本施設では半期ごとにシーズンテーマを決め、各施設をリンクさせるようにプログラムを実施していく予定。また、鉄道アセットを活用しながら、日本各地の伝統産業や歴史なども紹介。誰もがコンテンツの鑑賞や制作に参加できる場を用意するとしている。
本施設で実施するプログラムを企画運営する組織として「一般財団法人JR東日本文化創造財団」も設立されており、開発準備室長には日本科学未来館でキュレーターを務めていた内田まほろが就任している。内田は本施設のプログラムについて「アート、サイエンス、歴史などの様々な境界を横断するプログラムを実施していきたい」と語った。
また、ほかにも「TAKANAWA GATEWAY CITY」内では発掘された国指定史跡の「第7橋梁部」の再現を、文献調査や現地調査の結果を参照しつつ整備。全面開業時にオープンする「LINKPILLAR 2」には、鉄道開業や日本の近代化の歴史を紹介する「築堤ギャラリー(仮称)」も開業する予定だ。ギャラリーのデザインは内藤廣建築設計事務所が担当し、内装には高輪築堤を支えていた木材(松杭)を活用する。