染色家でありアーティストとして多方面で活躍した柚木沙弥郎氏が1月31日、うっ血性心不全でこの世を去った。101歳だった。
柚木氏は1922年東京生まれ。美術史を学ぶため東京大学に入学するも、戦争のため勉学が中断されてしまう。大原美術館に勤務していたときに柳宗悦が提唱する「民藝」と出会い、染織家・芹沢銈介に弟子入り、染色の道に進む。以来、型染の第一人者として国内外で高く評価されており、2008年~10年にはパリで個展を開催、14年にはフランス国立ギメ東洋美術館に70点以上の作品が収蔵された。100歳を超えてもアーティストとして精力的に作品を発表してきた。近年では個展として、2021年に絵本原画や染色作品を通じて見つめる展覧会「柚木沙弥郎 life・LIFE」がPLAY! MUSEUMで開催。23年には「生誕100年 柚木沙弥郎展」が日本民藝館で開催されたばかりだった。