V&Aが2025年、デヴィッド・ボウイ・センターを設立。8万点以上のアーカイヴ資料を一般公開へ

2025年、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が新しい収蔵品施設「V&A East Storehouse」をオープン。なかでも、デヴィッド・ボウイに関する8万点以上のアーカイヴ資料を一般公開するデヴィッド・ボウイ・センターが新たに設立される。

1976年、「ステイション・トゥ・ステイション」ツアーで演奏するデヴィッド・ボウイPhotograph by John Robert Rowlands. © John Robert Rowlands and The David Bowie Archive

 ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が、2025年にデヴィッド・ボウイ・センターを設立し、ボウイに関する8万点以上のアーカイヴ資料を一般公開することを発表した。

 同センターの設立は、デヴィッド・ボウイ財団の支援およびブラヴァトニック・ファミリー財団とワーナーミュージック・グループからの1000万ポンドの寄付により実現。1960年代から60年にわたるボウイのキャリアにまつわる資料を網羅し、アーカイヴの継続的な保存、調査、研究も支援する。

 アーカイヴには、手書きの歌詞、手紙、楽譜からオリジナルの衣装、ファッション、写真、映画、ミュージックヴィデオ、セットデザイン、楽器、アルバムアートワーク、アワードまでが収蔵。また、これまで一般に公開されたことのない未完成のプロジェクトや親密な書簡なども含まれる。

「Blackout」(『ヒーローズ』、1977)の歌詞を切り取ったもの © The David Bowie Archive
アルバム『Heroes』のジャケットに採用されたポーズでの自画像(1978) © The David Bowie Archive

 ハイライトは、フレディ・バレッティ、山本寛斎、アレキサンダー・マックイーンなどがデザインしたボウイの画期的なステージ衣装や、『フェイム』(1975)、『ヒーローズ』(1977)、『アッシュズ・トゥ・アッシュズ』(1980)などの手書きの歌詞など。また、ニコラス・ローグが監督し、ボウイが出演した映画『地球に落ちて来た男』(1975-76)のスチール写真のコラージュや、テリー・オニール、ブライアン・ダフィー、ヘルムート・ニュートンなど20世紀を代表する写真家が撮影した7万点以上の写真やプリントなども挙げられる。

山本寛斎がデザインしたボディスーツ(1973) 写真=鋤田正義 © Sukita and The David Bowie Archive
フレディ・バレッティがデザインしたスーツ(1972) © The David Bowie Archive

 さらに、ブライアン・イーノのシンセサイザーやマーク・ボランが贈ったスタイロフォンなど、ボウイの代表的なアルバムの録音で使われた楽器や機材、そしてボウイが人生とキャリアの各時代に残したノートブックなどを見ることもできる。

 V&Aのディレクターであるトリストラム・ハント博士は声明文で、「V&Aは、(ボウイ)の素晴らしいアーカイヴの管理者となり、一般に公開できることを大変うれしく思っている」とし、この新たなセンターは「ボウイの作品とV&Aの5000年にわたるアート、デザイン、パフォーマンスのコレクションとの対話を行うのに理想的な場所だ」とコメントしている。

 デヴィッド・ボウイ・センターが所在するV&A East Storehouseは、同館の収蔵品を展示するために設計された新しい施設。オープンは2025年の予定。

 25万点以上の収蔵品や35万冊の書籍、1000点以上のアーカイヴを収蔵するこの施設は、来館者を舞台裏に引き込み、同館のコレクションへのアクセスを可能にする。デヴィッド・ボウイ・センターに加え、保存修復ラボ、ワーキングストア、リサーチルーム、リーディングルーム、ギャラリー、展示・パフォーマンススペース、クリエイティブスタジオなど様々なスペースが設けられる予定だ。

V&A East Storehouse内観のイメージ Designed by Diller Scofidio + Renfro © Diller Scofidio + Renfro, 2021

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