オーストラリア最大級の現代美術館。ビクトリア国立美術館が新館「NGVコンテンポラリー」のデザインを発表

オーストラリア国内最古の美術館であるビクトリア国立美術館(NGV)とビクトリア州政府が、3月15日に新館「NGVコンテンポラリー」のデザインを発表した。3万平米を誇る新館はオーストラリア国内外の現代美術やデザインの展覧会に特化した美術館となり、現代美術分野の施設としてはオーストラリア最大規模のものとなる。

NGVコンテンポラリーの外観イメージ Render by Darcstudio

 2020年、オーストラリア国内最古の美術館であるビクトリア国立美術館(National Gallery of Victoria、NGV)が、現代アートとデザインに特化した新館「NGVコンテンポラリー」の建設計画を発表。建築設計コンペを経て、NGVとビクトリア州政府が3月15日に最優秀デザインを発表した。

 1861年にメルボルンに設立されたビクトリア国立美術館は、オーストラリア国内最大の美術館のひとつ。現在はメルボルン市内にある「NGVインターナショナル」と「NGVオーストラリア」の2館を会場に運営しており、古代から中世、近代、現代のアートやデザイン、工芸、建築などの展覧会を行っている。

NGVコンテンポラリーの外観イメージ Render by Darcstudio

 ビクトリア州政府は、2020年に17億オーストラリアドルを投じてメルボルン芸術特区の改造計画を発表。NGVコンテンポラリーは同区の中心的な存在となり、オーストラリア国内外の現代美術、デザイン、ファッション、建築の展覧会に特化した美術館として、同分野の施設におけるオーストラリア最大規模のものとなる。

NGVコンテンポラリーの外観イメージ Render by Darcstudio

 コンペにより選ばれたのは、オーストラリア人建築家アンジェロ・カンダレパスが率いる建築、デザイン、エンジニアリングチーム。3万平米を誇る新館は、アーチ型の入口、高さ40メートル以上におよぶ球状のホール、そして屋上テラスや彫刻庭園などを含む1万3000平米以上の展示スペースなどによって構成される。

アーチ型入口のイメージ Render by Secchi Smith
球状ホールのイメージ Render by Secchi Smith
球状ホールのイメージ Render by Secchi Smith

 建物の中心部にある巨大な球状ホールは、大規模なアート作品が展示できるスペースであると同時に、螺旋状の通路を通って建物内を移動することができ、最終的には屋上テラスにつながる。屋上からは、メルボルンの中心街や公園などの景色を眺めることができ、館内には教育スペース、スタジオ、作品保存のための研究室も設けられる。

球状ホールのイメージ Render by Secchi Smith
屋上テラスのイメージ Render by Darcstudio
屋上テラスのイメージ Render by Secchi Smith

 ビクトリア国立美術館館長であるトニー・エルウッド・AMは声明文で、「このダイナミックで刺激的なデザインは、(中略)すべてのビクトリア市民に、世代を超えて愛される芸術と文化のためのタイムレスな建物を提供するものだ」と評価している。

 建築家のアンジェロ・カンダレパスは、今回の設計について次のように述べている。「アートとデザインは、オーストラリア国民すべてにとって重要なものであり、私たちがコミュニティとしてどのような存在であるかを物語っている。このプロジェクトは、オーストラリアが、重要な創造力を持つ偉大な現代国家であることを示すもの。この建物は、私たちの時代の文化の道標になることだろう」。

展示室のイメージ Render by Secchi Smith
展示室のイメージ Render by Secchi Smith

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