平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に、1994年より毎年開催されている「VOCA展」。これまでに延べ951人(組)の作家が出展し、過去の出展者には福田美蘭や小林正人、奈良美智、村上隆らがいる。
同展は、全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから推薦委員を選出し、それぞれが40歳以下の若手作家1名を推薦。そのなかから選考委員が受賞者を決めるシステムとなっている。
今年で28回目の開催となる「VOCA展2021」でグランプリとなる「VOCA賞」を受賞したのは、群馬県出身で秋田県在住のアーティスト・尾花賢一。「VOCA奨励賞」には鄭梨愛と水戸部七絵が、「佳作賞」には岡本秀と弓指寛治が選出された。また岡本秀は、大原美術館が同館独自の選考を経て決定する「大原美術館賞」も受賞している。
今回の選考委員を務めたのは、小勝禮子(選考委員長/美術史・美術批評)、水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)、家村珠代(多摩美術大学教授)、荒木夏実(東京藝術大学准教授)、前山裕司(新潟市美術館館長)の5名。受賞者以外の出品作家は以下のとおり。
a/morphous(大西正一・竹内秀典)、青原恒沙子、今井麗、榎倉冴香、加藤真史、桑原理早、児玉知己、衣真一郎、佐直麻里子、設楽陸、春原直人、武田竜真、長田綾美、永田康祐、永畑智大、西田卓司、仁添まりな、藤田道子、松本寛庸、盛圭太、八木佑介、薬師川千晴、山谷佑介、山本聖子、吉國元。
これら受賞作家・出品作家の作品が一堂に展示される「VOCA展2021」は、2021年3月12日から3月30日までの19日間、上野の森美術館で行われる。