前会長辞任の美術評論家連盟、新会長は四方幸子に。半世紀以上の歴史で初の女性

前会長・林道郎が9月に辞任し、会長の空位が続いていた美術評論家連盟。その新会長にインディペンデント・キュレーターで批評家の四方幸子が就任することが発表された。同連盟にとって初の女性会長となる。

美術評論家連盟ウェブサイト

 会長の空位が続いていた美術評論家連盟。その新会長として、インディペンデント・キュレーターで批評家の四方幸子が就任することが発表された。任期は2022年1月1日から2025年12月31日まで。1954年の発足以来、同連盟にとっては初の女性会長だ。

 美術評論家連盟前会長・林道郎は、元教え子の女性からセクシャルハラスメントで提訴され、9月18日付けで美術評論家連盟の会長職を辞任。9月20日付けで連盟を退会していた。これ以降、会長職は空位となっていた。

 新会長となる四方幸子は、多摩美術大学や東京造形大学、武蔵野美術大学、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)などで教鞭を執っており、「情報フロー」というアプローチから諸領域を横断する活動を展開。これまでキヤノン・アートラボ(1990〜2001)、森美術館(2002〜04)、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC](2004〜10)などで経歴を重ね、インディペンデント・キュレーターとしても数多くの展覧会・プロジェクトを担当してきた。近年の仕事には札幌国際芸術祭2014(アソシエイトキュレーター)、茨城県北芸術祭2016(キュレーター)などがある。

 また、2020年には美術評論家連盟2020シンポジウムの実行委員長を務めたほか、2021年にはフォーラム「想像力としての<資本>」、「EIR(エナジー・イン・ルーラル)」、フォーラム「精神としてのエネルギー|石・水・森・人」などに携わっている。

 同連盟ではこれまで土方定一、瀧口修造、東野芳明、針生一郎、中原佑介など14名が歴代会長を担ってきたが、女性会長はいなかった。

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