レンブラント作品購入をめぐるドキュメンタリー。映画『レンブラントは誰の手に』 が21年2月に公開

オランダを代表する巨匠、レンブラント・ファン・レイン。その絵画をめぐる人々をとらえたドキュメンタリー映画『レンブラントは誰の手に』が2021年2月26日より、Bunkamura ル・シネマほかにて全国順次公開される。

『レンブラントは誰の手に』 より (C)2019DiscoursFilm

 《夜警》などで知られる17世紀オランダ絵画の巨匠、レンブラント・ファン・レイン。その絵画をめぐる人々をとらえたドキュメンタリー映画『レンブラントは誰の手に』が2021年2月26日より、Bunkamura ル・シネマほかにて全国順次公開される。

『レンブラントは誰の手に』 より (C)2019DiscoursFilm

 レンブラントは1606年オランダ生まれ。「光と影の天才」と賛辞されるほどに巧みな明暗表現を得意とし、劇的な表現方法による集団肖像画を多く残し、19年には没後350周年という節目を迎えた。

 本作『レンブラントは誰の手に』は、複数の視点からレンブラント作品購入の過程を描いたものだ。

 例えばオランダの貴族の家系に生まれ、レンブラントが描いた貴重な肖像画のある家で育った若き画商ヤン・シックス。彼は2016年にロンドンのクリスティーズに出されていた「若い紳士の肖像」に目を奪われ、これをレンブラントが描いたものだと直感し、13万7000ユーロという安値で落札。その後、専門家の鑑定を経て、レンブラント作品であることを公表して話題を呼んだ。この映画では、その一部始終が収められており、ニュースの裏側を知ることができる。

『レンブラントは誰の手に』 より (C)2019DiscoursFilm
『レンブラントは誰の手に』 より (C)2019DiscoursFilm

 また、美術館による作品購入という普段ではあまり見ることができない一面もこの映画では描かれる。アムステルダム国立美術館は、ロスチャイルド家が所蔵していたふたつの肖像画(《Portrait of Marten Soolmans》《Portrait of Oopjen Coppit, Wife of Marten Soolmans》)を購入するため、ルーヴル美術館に共同購入を持ちかけた。

『レンブラントは誰の手に』 より (C)2019DiscoursFilm

 1億6000万ユーロ(当時)という高額なこの作品は紆余曲折を経て、15年にフランスとオランダの両国で共同購入の合意がなされ、翌年にはルーヴル美術館で初披露されたという経緯がある。本作では、その初披露に至るまでの両国(両美術館)の激しい攻防も収められている。

『レンブラントは誰の手に』 より (C)2019DiscoursFilm

 その他にも、レンブラント作品を所有する大コレクターなど、レンブラントに魅せられた人々が登場。レンブラント作品を楽しめるのはもちろんのこと、「レンブラントが人々を惹きつける理由はなんなのか」「なぜ人はアートをコレクションするのか」など、様々な視点から見ることができる映画だ。

編集部

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