新型コロナウイルスの感染者が急増するヨーロッパでは、フランスやドイツがふたたび全国規模の都市封鎖を発表した。
フランスでは、10月30日の午前0時から少なくとも12月1日までの約1ヶ月間、全土を対象にする外出禁止令を発令。これにより、7月前後に再開したルーヴル美術館やオルセー美術館、ポンピドゥー・センターなどの美術館はふたたび休館となった。
いっぽう、ドイツでは今春の全国的なロックダウン以来もっとも厳しい規制措置を11月2日から月末まで施行。政府の声明では劇場や映画館、アミューズメントパーク、スポーツジムなどの施設が閉鎖の対象となっているが、美術館や博物館は含まれていない。
それに対してドイツ博物館協会は、「現時点ではまだ正式には確認されていないが、美術館・博物館もほかの文化施設と同様に閉鎖の影響を受けることが予想される」としつつ、都市封鎖の影響について次のような懸念を表している。「いま、ふたたび美術館・博物館を閉鎖することは、深刻な転換点を意味する。これは施設とその従業員だけでなく、関連する多くのフリーランスの労働者や企業にも影響を与えるだろう」。
そのほか、ベルギー・ブリュッセル地方の美術館や博物館は、11月19日までの閉鎖を命じられている。スペインとイタリアも今週、非常事態宣言や規制強化を発表したが、美術館や博物館の開館は認められている。
また、10月16日より制限措置を強化した北アイルランドでは、国立博物館をはじめとする博物館や美術館、ギャラリーは4週間の閉鎖を求められている。
イギリスも例外ではない。ジョンソン首相は10月31日に、イングランドで11月5日から12月2日までの4週間にわたるロックダウンを行うことを発表。The Art Newspaperによると、このロックダウン措置により、英国全土の美術館も11月5日から約1ヶ月間にわたり休館を余儀なくされることになったという。このうち、大英博物館は11月4日からの休館を発表。「当館では、スタッフと来館者の健康と安全を第一に考えております。12月初旬には再開し、ご来館の皆様をお迎えできることを願っております」との声明を出している。