2020.8.28

ベイルート爆発被害の文化施設を支援。クリスティーズがチャリティー・オークションを開催

レバノンの首都ベイルートで発生した爆発で被害を受けた文化施設の再建を支援するため、クリスティーズが10月下旬〜11月上旬にチャリティー・オークションを開催する。

2012年にクリスティーズ・ドバイで開催されたオークションの様子 Courtesy of Christie's

 8月4日、レバノンの首都ベイルートで大規模な爆発が発生し、市内の多くの美術館、博物館、ギャラリーが被害を受けた。そうした文化施設の再建を支援するため、クリスティーズがチャリティー・オークションを行うことを発表した。

 「WE ARE ALL BEIRUT-A Charity Auction」というタイトルのこのオークションは、10月下旬から11月上旬にかけてオンラインで開催予定。美術品、宝飾品、デザイン、時計など40〜50点が出品され、スルソーク博物館を含むベイルート市内の美術・文化施設に資金を提供する予定だ。

 クリスティーズのCEOであるギヨーム・セルッティは声明文で、同社の顧客、友人、コレクターに参加を呼びかけつつ、このオークションで「十分な資金を集め、大きな変化を起こすことを期待している」と表明している。

 2004年、クリスティーズは中東における初めてのチャリティー・セール「Camel Caravan Charity auction」を開催し、130万ドル(約1億3800万円)の資金を調達。また、昨年6月にサウジアラビア王国文化省と連携し、ユネスコ世界遺産であるジッダの歴史地区にある新しい遺産博物館のために行ったチャリティー・セール「Art for Al Balad」では130万ドル(約1億3800万円)を集めた経緯がある。

 今回のセールについて、クリスティーズの中東部門長マイケル・ジェハは、「レバノンの美術は2006年以来、中東オークションの中心となってきました。そしてクリスティーズは、文化の豊かな町であるベイルートの再建を支援するための世界的な取り組みの一部となることに、深い責任感を感じています」。

 また、同社の中東マネージング・ディレクターであるキャロライン・ルーカ・カークランドはこう続ける。「レバノンの人々、文化、創造的なコミュニティは、アートの世界に大きく貢献しています。このセールは、地域と国際社会の両方がレバノンの文化再建に対する広く、長期的な支援と連帯を示す機会となるでしょう」。