2020.6.30

KYOTOGRAPHIEがコロナで継続の危機。クラウドファンディングで資金募る

2013年より毎年開催されている国際的な写真祭「KYOTOGRAPHIE」が、運営資金の不足を賄うためにクラウドファンディングをスタートさせた。目標金額は1000万円。

2017年のKYOTOGRAPHIEより、TOILETPAPER Maurizio Cattelan & Pierpaolo Ferrariの展示風景 撮影=大島拓也
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 2013年から毎年開催を重ねてきた国際写真祭「KYOTOGRAPHIE」が、継続の危機に瀕している。

 KYOTOGRAPHIEは民間によって企画・運営されている国際写真祭で、毎年ひとつのテーマのもと、社会問題を扱う作品の展示も含めた、積極的な活動を行ってきた。回数を重ねるごとに、その存在感も増している。しかしながら今年は、新型コロナウイルスの影響で開催が延期。当初は4月18日から5月17日までの会期だったが、9月19日からの開催へとずれ込んだ。

KYOTOGRAPHIE 2014より、西野壮平(京都駅ビル7階東広場)の展示風景 撮影=大島拓也

 この延期に伴い課題となっているのが運営資金の不足だ。民間運営のKYOTOGRAPHIEは行政からの助成をほとんど受けておらず、その収入源は企業からの協賛とチケット収入がメイン。しかし今回の延期で人件費の増大や展示計画の抜本的練り直し、スポンサーの撤退などが生じた結果、約3000万円の資金不足に陥ったという。

 この危機を回避するための手段として主催者が選んだのが、クラウドファンディングによる資金調達だ。

KYOTOGRAPHIE 2018より、ローレン・グリーンフィールド (京都新聞ビル 印刷工場跡)の展示風景 撮影=浅野豪

 KYOTOGRAPHIEは、クラウドファンディングで資金調達する理由として、以下のようなコメントを発表している。

 「今回のコロナ禍に鑑みても、企業協賛に依存しすぎるのは持続可能なあり方ではありません。かといって、市民に開かれたアートフェスティバルとして、チケット料金を極端に引き上げるわけにもいきませんし、関連イベントはこれまで通り無料もしくは低価格にて参加いただける形を維持したい」「私たちはこれから、企業協賛、チケット収入に加えた第三の柱として、クラウドファンディング=個人寄付を募っていきたいと考えています」。

 目標金額は1000万円で、支援金額の幅は1000円から300万円までと幅広い。キャンペーンサイトにはアルバート・ワトソンや坂本龍一、沖野修也、高谷史郎といった著名人のコメントが寄せられており、支援を呼びかけている。詳細は公式サイトをチェックしてほしい。

KYOTOGRAPHIE 2019より、アルバート・ワトソン(京都文化博物館 別館)の展示風景 撮影=浅野豪