フランスの美術館・博物館が6月に再開へ。アーティストへの追加支援策も発表

フランスのエマニュエル・マクロン大統領が5月6日に開催されたオンライン・カンファレンスで、全国の美術館・博物館が6月2日に再開されると予測。短期契約労働者への失業給付を2021年8月31日まで延長するなどの追加支援策も発表された。

ルーヴル美術館も休館が続いている 出典=ウィキメディア・コモンズ

 新型コロナウイルスの影響で3月より休館を余儀なくされているフランスの美術館・博物館が、再開に向けて動き出している。

 「Artnet News」によれば、エマニュエル・マクロン大統領は5月6日に開催されたオンライン・カンファレンスで、全国の劇場や美術館・博物館が6月2日に再開されると予測。社会的距離を保ったうえで、書店やレコード店、ギャラリーも再開するという。

 マクロン大統領は、「文化の場を復活させなければならない」としつつ、「アーティストたちはふたたび創造し、オーディエンスにリーチするよう、ともに協力していかなくてはならない。そしてこの状況においても、観客との新しい関係を考え直さなければならないだろう」と語っている。

 フランスでは緊急支援策として、美術館や公共アート・センター、劇場、アーティストなどを支援するための緊急基金が創設。フリーランスや短期契約労働者の失業手当受給条件緩和も発表されている。

 しかし、フランスの文化労働者たちは、これらの支援策が「不明確だ」と批判。4月30日にはオープン・レターが「ル・モンド」紙に公開され、ダンサー、コメディアン、映画製作者、映画祭のクリエイターなど短期契約の舞台芸術労働者を支援するための明確な計画を立てることを求めていた。

 このカンファレンスはそうした声に応じて行われたもので、マクロン大統領は、これらの労働者の失業給付を2021年8月31日まで延長すると発表。加えて、30歳未満のアーティストに特化した「大規模なパブリック・コミッション・プログラム」を検討していることも明らかにした。

 なおヨーロッパでは、ドイツやオーストリア、イタリア、ベルギーなどの美術館・博物館で今月から順次再開していく。

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