3月10日より全国でロックダウンが続くイタリアで、5月4日から規制が緩和されることに伴い、博物館・美術館も再開を迎える。
「Artnet News」によれば、博物館・美術館の再開は5月18日から実施予定。しかし、すべての入場券のオンライン購入や、展示室内でのソーシャル・ディスタンス確保など、イタリアの文化財・文化活動・観光省が作成した安全指針に従わなければならないという。
いっぽう、ベルギーでは再開計画を策定するために設置された国家委員会が、企業規制や集会規制を緩和するための3つの段階を発表。博物館・美術館は5月18日に始まる予定の第2段階に含まれており、こちらでもイタリア同様、ソーシャル・ディスタンスを保つ措置がとられるという。
ベルギーのガイドラインでは、12歳以上のすべての人が公共の場でマスクを着用することが義務づけられており、政府は国民一人につき一枚のマスクを無料で提供。アントワープ現代美術館のバート・デ・ベレ館長は「The Art Newspaper」に対し、「美術館は公園のようなもので、個人が一緒にいるという公共の空間と絡み合うことができる空間だ」とし、「これからの数ヶ月間、私たちは個人の自由と他者との関係性への配慮の間に新たな、ポジティブなバランスを見つけるという課題に直面している。当館は、ロックダウン後のための試験場としての役割を果たす準備ができている」とコメントしている。
なおイタリアとベルギーに先立ち、ドイツ・ブランデンブルク州では小規模な博物館がすでに再開。受付への隔壁の設置や訪問者数の制限、消毒液の設置、支払いをクレジットカードに制限するなどのガイドラインが定められている。また、ベルリンにある旧博物館、ハンブルガー・バーンホフ現代美術館、ボーデ美術館なども、5月4日の開館を発表している。
新型コロナで深刻な被害を受けたヨーロッパで再開を迎える美術館・博物館。この再開の成功が、世界各国のミュージアムにとっても重要な鍵となる。