愛知県、全国最大となる6億円規模のアーティスト支援策を発表。美術館の作品購入予算の倍増も視野に

愛知県の大村知事は県独自の文化支援策として、個人10万円交付を含んだ6億円規模の施策を発表した。また、県立美術館の作品購入予算倍増についても言及している。

愛知県庁舎 (C)photoAC

 愛知県は5月1日、県独自の文化支援策として、全国最大となる6億円規模の施策を発表した。

 今回発表されたのは、新規事業として「愛知県文化芸術活動応援金の創設」「文化芸術活動緊急支援事業の実施」のふたつと、既存事業を拡充した「文化活動事業費補助金」。

 このうち、5億円超を投じる「愛知県文化芸術活動応援金の創設」では、財政基盤が脆弱な文化芸術活動関係者を支援するため、独自の応援金を交付。対象者は、売上が前年同月比で50パーセント以上減少している県内の文化芸術関係の法人および個人事業者。交付額は法人が20万円、個人事業者が10万円(定額)で、 申請はオンラインとなる予定。5月中に詳細を詰めていくという。

 「文化芸術活動緊急支援事業の実施」は、「アーティスト等緊急支援事業」と「伝統文化活動緊急支援事業」の2本柱からなり、前者では、県内文化施設の所蔵作品等を題材とした映像作品の制作をアーティストに委託。ウェブサイトを通したオンライン配信を実施する。また後者では、県内で長く継承されている伝統的な文化芸術活動の魅力を伝える映像作品を制作し、地元テレビ局で番組として放映するとともに、オンライン配信を行う。ともに、制作に対価を支払うかたちとなる。

 文化活動事業費補助金においては、採択件数を拡充したり、中止事業や無観客公演事業を交付対象にすることなどで、2500万円の当初予算を拡充する。

 加えて大村知事は検討段階の話としながら、文化芸術支援の一環として、愛知県美術館と愛知県陶磁美術館の購入予算を現状(両館あわせて3年間9000万円)から、少なくとも倍増させる意思を表明。日本の現代美術作品、とくに若手作家の作品を重点的に購入する考えを示した。

 大村知事は「文化芸術は人間にとって不可欠だ」としており、「欧米での文化支援策を見るにつけ、日本でもしっかり目を向けていかなくてはいけない。文化芸術をしっかり支え続ける愛知県でありたい」と語っている。

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