新型コロナウイルスの拡散防止のため、3月13日より休館を余儀なくされているメトロポリタン美術館3館(5番街本館、メット・ブロイヤー、クロイスターズ)。その休館に伴い、メット・ブロイヤーで3月4日に開幕したゲルハルト・リヒターの回顧展「Gerhard Richter:Painting After All」も中断された。
「Google Arts & Culture」のストリートビューや「The Met 360° Project」などのオンラインプラットフォームに注力している同館は4月、新たに一連のオンラインコンテンツを発表。リヒターの回顧展や、同展と合わせて発表された長編ドキュメンタリーのオンライン鑑賞・視聴は、そのハイライトのひとつだ。
本展は、リヒターの60年にわたるアーティスト活動を振り返るもの。戦後の前衛芸術の作品や抽象絵画、そして世界初公開のガラス彫刻など100点以上の作品が展示。同館のサイトには、ギャラリーツアーやプレビュー動画のほか、全出品作品の画像や基本情報が、解説とともに章ごとに公開されている。
なお、同館ウェブサイトではリヒター展のほか、オペラ『Mother of Us All』のデジタルプレミアや子供向けのオンラインプログラム「Storytime in Nolen Library」などのコンテンツも新たに公開されている。
また、メット・パブリケーションズは絶版となった書籍を定期的に無料で公開。『The Tale of Genji:A Japanese Classic Illuminated』(2019)や『German Paintings in The Metropolitan Museum of Art, 1350-1600』(2013)などの作品が新たに追加された。そちらもあわせてチェックしたい。