昨年春、東京で「バンクシー作品らしきネズミの絵」が公開され、パリでは作品の盗難が起きるなど、世界各地で話題を集め続ける覆面アーティストのバンクシー。そのマネージャーを1997年から11年間務めてきたスティーブ・ラザリデスがバンクシー本人をとらえた作品集が、『BANKY CAPTURED』だ。
スティーブは、かつて雑誌『Sleaze Nation』のカメラマン兼フォトエディターとして活躍。その後、バンクシーの右腕として作品の撮影や車の運転などを担当するなかで、1万点以上のバンクシー関連の写真を撮り続けてきた。
また、バンクシーの代理店として知られるイギリスのアートギャラリーのオーナーでもある。ストリートアートの普及に貢献した第一人者であり、またアンダーグラウンドアートの最新トレンドの権威として知られている。
『BANKSY CAPTURED』は、2019年11月に初版が限定5000部で発売されたが、瞬く間に完売。のちに第2版が2万部刊行され、その一部の販売権を日本の株式会社ベストセラーズが獲得した。同社からの先行予約販売は20年4月13日に開始、一般販売は5月15日を予定している。
また同社では、購入者のなかから抽選で1名に、バンクシーの作品《偽10ポンド紙幣》をプレゼントするキャンペーンも実施。イギリス内に流通する10ポンド紙幣をモチーフとした同作では、本来エリザベス女王の肖像が描かれているところにウェールズ公妃ダイアナが描かれている。キャンペーンの詳細については、公式ホームページを参照してほしい。
限りなく本人公認に近い「BANKSY BLESSING(応援している)」の作品である本書は、希少価値が高いものとして扱われ、いまや入手困難となっている。世界の様々なオークションサイトでも転売が目撃され、その金額は799.99ドルの値が付けられるものもある。謎に包まれたバンクシーの本人写真や未発表作品などを収録した貴重な内容に注目だ。