株式会社ルミネが手がける商業施設「NEWoMan(ニュウマン)」。横浜にオープンするその2号店の環境デザインを、建築家・田根剛が手がける。
NEWoManは、2016年春に1号店をJR新宿駅新南口に開業。ファッション、ビューティ、フード、カルチャーなどを横断してライフスタイルをトータルにプロデュースする「時間消費型」の商業施設だ。
この2号店となるNEWoMan横浜が、5月30日に開業する。同店では、開発コンセプトに「STORY…ING」を掲げ、「新時代を自由に生きるヒトとともに、STORY(=物語)をクリエイションし続ける場所」を目指すという。
この店内の環境デザインを手がけるのが、気鋭の建築家として国内外から注目を集める田根剛だ。
田根は1979年東京都生まれ。現代はフランス・パリを拠点に活動し、Atelier Tsuyoshi Tane Architectsの代表を務める。これまで携わったプロジェクトには、「エストニア国立博物館」(2016)、「新国立競技場・古墳スタジアム(案)」(2012)などがあり、今年4月には、田根にとって国内初の美術館建築となる「弘前れんが倉庫美術館」が開館予定となっている。
また18年には、初台の東京オペラシティ アートギャラリーで「田根剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ― Digging & Building」を開催。東京都現代美術館の「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展(2019-2020)では、展示構成を手がけるなど、活動領域を広げている。
田根が手がける館内は、「GLOBAL PORT CITY」をテーマに、各フロアで異なるタイルを30万枚使用し、1万5000平米を覆う。
田根は、横浜を象徴するレンガを、同じ土を素材とするタイルへと置き換え、60種類におよぶオリジナルのパターンを製作。横浜をはじめとする世界各地の港町の地図をタイルによってパッチワークのように表現し、各階の床や壁の一部を覆う。目指したのは、建物内にいながら、街を歩いているような楽しさを感じられる空間だ。なおこのタイルは、横浜駅ビルにも展開され、施設と駅をつなぐ役割も果たす。
田根が商業施設の環境デザインを手がけるのは今回が初めて。田根は「商業施設ではなくパブリック・スペースのデザインだと考えた」と言う。「人が集まったり、楽しんだり、休んだりする場所をどうやってデザインしていこうかと考えたとき、回遊性というテーマはありましたが、これはパブリック・デザインだと」。
田根剛の新たな挑戦するパブリックな空間デザイン。ぜひ注目してほしい。