ヨコハマトリエンナーレ2020のタイトルが「Afterglow - 光の破片をつかまえる」に決定。参加アーティスト第1弾も発表

2020年に第7回の開催を迎える「ヨコハマトリエンナーレ2020」。11月29日、ヨコハマトリエンナーレ組織委員会はトリエンナーレのタイトルとコンセプト、参加アーティスト第1弾の発表を行った。また、アーティスティック・ディレクターを務めるアーティストコレクティブ「ラクス・メディア・コレクティヴ」によるコンセプトの共有も行われた。

 

トリエンナーレのコンセプトの解説をするラクス・メディア・コレクティヴ。左からシュッダブラタ・セーングプタ、モニカ・ナルラ、ジーベシュ・バグチ

 2001年に第1回が開催され、来年20年に第7回を迎える「ヨコハマトリエンナーレ2020」。横浜トリエンナーレ組織委員会は11月29日、タイトルとコンセプト、第1弾の参加アーティスト19名を発表した。

 同日、アーティスティック・ディレクターであるアーティストコレクティブ「ラクス・メディア・コレクティヴ(以下ラクス)」によるイベント「エピソード00 ソースの共有」も横浜・プロット48にて開催。ラクスより、トリエンナーレのコンセプトが共有された。

 ヨコハマトリエンナーレ2020のタイトルは「Afrterglow - 光の破片をつかまえる」に決定。「Afterglow(残光)」という言葉は、人々が日常生活のなかで知らずのうちに触れていた、宇宙誕生の瞬間に発せられた光の破片を指すものとして選ばれた。ラクスは現代の人間の営みを「破壊/毒性」と「回復/治癒」の連続性ととらえ、有毒なものを排除するのではなく、共存する生き方がいかに実現できるのかをトリエンナーレを通じて問うという。

 さらに、ひとつのテーマから展覧会を構想するのではなく、複数の「ソース」を出発点にするという方針も発表された。ソースとは時代や文化的な背景が異なる人々の生き方や考え方を示す資料で、ラクスはこのソースを使用しながら、アーティストやコラボレーター、観客と思考を深めていくという。そのためにラクスは、ソースを収録した書物「ソースブック」も展開。多くの人々に向けて思考の紹介と共有を目指す。なお、ソースブックはトリエンナーレのホームページからもダウンロードできる。

 会期前から「エピソード」と呼ばれる短期間のイベントを断続的に世界中で実施することも今回のトリエンナーレの特徴のひとつ。エピソードに招かれるのは、アーティストやキュレーターだけでなく、映像制作者、ダンサー、ミュージシャン、パフォーマーなど様々だ。今回の「エピソード00 ソースの共有」を皮切りに、今後は香港、ニューデリー、ヨハネスブルグと移動。最後は横浜に戻り、トリエンナーレの期間中に展開される。

 参加アーティスト第1弾としては、日本人は新井卓、飯川雄大、飯山由貴、岩間朝子、川久保ジョイ、佐藤雅晴、新宅加奈子、田村友一郎の名が挙がった。海外アーティストはイヴァナ・フランケ、アンドレアス・グライナー、アントン・ヴィドクルのほか、日本では初めての作品発表となる8名が選出された。

 開催期間は2020年7月17日から10月11日まで。会期までに世界各地で開催されるエピソードも含め、多くの人々を巻き込んだ対話が展開されることを期待したい。

ラクス・メディア・コレクティヴと参加アーティスト

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