抗議電話の殺到や脅迫を受け、展示中止となったあいちトリエンナーレ2019の一展示「表現の不自由展・その後」。これを日本の現代美術に決定的な危機をもたらす出来事ととらえ、これからの行動を考えるミーティングが9月8日、東京大学 駒場キャンパスで開催される。
テーマは「表現の現場における暴力への対峙に向けて」。企画はアンドリュー・マークル、チェ・キョンファ、井上文雄、明戸隆浩。
差別的・排外主義的な暴力に屈することで、これからの現代美術の活動がたやすく暴力に左右され、自己規制と差異への不寛容が蔓延するきっかけとなることを危惧して行われる本ミーティング。「表現の不自由展・その後」の再開が困難であることは認めながらも、美術に関わる様々な立場の人々が意志をもって暴力に抗うことの必要性を問う。
現時点の参加予定者はアーティストの卯城竜太、藤井光、豊嶋康子、荒木悠をはじめ、キュレーターのチェ・キョンファ、近藤健一、藪前知子ら、そして美術批評家や研究者からは明戸隆浩、林道郎、加治屋健司、上崎千など。公式ウェブサイトで随時更新されており、参加者は自分で氏名と肩書きを記入することもできる。
表現の現場における暴力に対するとき、中・長期的にどのような具体的な行動が取れるのか、また同じ問題意識を持つ人々とのつながりをいかに構築できるのか。本ミーティングは、こうした問題提起に賛同する人々とともに思考するための機会となる。