中国・上海を代表するアートフェアのひとつである「アート021」が主催する、今年2回目となるアートフェア「JINGART(ジン・アート)」が、5月30日〜6月2日に北京で開催される。
今年のフェアの会場は、北京市内北西部にある「北京展覧館(北京エキシビジョン・センター)」。築65年の旧ソ連様式の建物は、同じ様式の「アート021」の会場と呼応しており、41のギャラリーが近現代美術、デザイン、家具、ジュエリーなどの作品を展示する。
デイヴィッド・ツヴィルナーやハウザー&ワース、ペロタン、ホワイトストーンギャラリーなど昨年より参加しているギャラリーに加え、オオタファインアーツ、ペース、ギャラリー小暮、ガレリア・コンティニュアなど22のギャラリーが初めて出展。
JINGARTの共同創設者のひとりである應青藍(ケリー・イン)は、このフェアとアート021についてこう語っている。「北京は伝統的な雰囲気が濃厚な都市なので、ここで開催するフェアは、ジュエリー、デザイン、水墨画、骨董品など近代的・古典的なジャンルを包括的に揃えています。いっぽう上海はよりインターナショナルなので、アート021は現代的な要素が多いです。私たちは北京と上海で姉妹のアートフェアを実現できることを願っており、その共通点は良い作品を提供することです」。
今回のフェアは、「近現代美術」「個展」「デザインと装飾美術」「パートナープロジェクト」といったセクションで構成。
メインセクションとなる「近現代美術」では、各ギャラリーがキュレーションした展示を行う。デイヴィッド・ツヴィルナーやペース、ホワイトストーンギャラリーが参加するこのセクションでは、ヨゼフ・アルバース、フランシス・アリス、ダイアナ・タター、リチャード・タトル、アーヴィング・ペン、草間彌生、奈良美智、白髪一雄らの作品を展示するほか、20世紀を代表する中国の近現代作家や現代水墨画なども紹介する。
いっぽう「個展」セクションでは、ペロタンは、山の景色や花を激しい筆書きと鮮やかな色彩で描くことで知られている韓国のアーティスト、キム・チョンハクを紹介。加えて、「具体」の作家・松谷武判や、コロンビアのアーティストのフェルナンド・ボテロ、中国の「80後(バーリンホウ)」を代表するアーティストの趙趙(ザオ・ザオ)による個展が、ハウザー&ワース、ボテロ・イン・アシア、大未来林舎画廊でそれぞれ開催される。
そのほか、1880年代から1940年代までパリで活動していたアーティストによるデザイン、装飾美術、家具、そして仏像、ジュエリーなどは、「デザインと装飾美術」セクションで見ることができる。「パートナープロジェクト」では、フェアのパートナーがアーティストとのコラボレーションを発表する。
規模拡大のJINGARTは、今年どのように展開していくのか? その動向に注目したい。