昨年、上海「プラダ・ロンヅァイ」で個展「STORYTELLING」を行い、大きな注目を集めた中国人のアーティスト・劉野(リウ・イエ)。その劉が、メガギャラリーとして知られるデイヴィッド・ツヴィルナーに所属することが発表された。60人以上のアーティストを持つデイヴィッド・ツヴィルナーでは、初の中国人アーティストとなる。
同ギャラリーは、3月に開催されるアート・バーゼル香港で劉の作品を紹介し、2020年にはニューヨークのギャラリーで個展を行う予定。また、出版物の刊行などを通して、劉を国際的な舞台で紹介していくという。
1964年北京生まれの劉は、北京の中央美術学院で壁画を、北京工芸美術学校で工業デザインを学んだあと、ドイツに移住。アムステルダムでの6ヶ月間の滞在を含む、ヨーロッパでの6年間で、西洋美術史と建築についての知識を深め、ヤン・ファン・エイク、ペトルス・クリストゥスなどの初期ルネサンス期の画家や、ヨハネス・フェルメール、パウル・クレーらからインスピレーションを得た。
とりわけピエト・モンドリアンから大きな影響を受けており、モンドリアンのミニマルな幾何学的構図は、劉の作品にしばしばモチーフとして登場。また、抽象と具象を組み合わせ、東洋と西洋を横断するような絵画をつくりだすのも特徴だ。
デイヴィッド・ツヴィルナーは、次のようにコメントしている。「古い伝統からミニマリズムまで、シームレスに西洋と東洋の影響をダイナミックなキャンバスに統合する劉は、アジアでは広く展示されていましたが、アメリカではほとんど展示されていません。2020年のニューヨークでの個展をはじめ、彼の独特なビジョンをより幅広い鑑賞者と共有できることをとても嬉しく思います」。