ファッションブランドとして世界的に知られる「ロエベ」が1988年に創設したロエベ財団。このロエベ財団と、ロエベのクリエイティブ・ディレクターであるジョナサン・アンダーソンが2016年に立ち上げたのが「ロエベ クラフト プライズ」だ。
同プライズは、今日の文化におけるクラフト(工芸)の重要性を認知すること、また未来の新たなスタンダードを創出する革新的な才能やヴィジョン、および意志を持つアーティストを評価することを目的に、これまで2回の展覧会を開催。数多くの才能を発掘してきた。
ジョナサン・アンダーソンはこのプライズを開催する意義について、こう語っている。「クラフトはまさにロエベの神髄です。『クラフト』という言葉が持つ最も純粋な意味でのクラフトこそがロエベの命です。そこにロエベの現代性が加わり、それは今後もつねに重要であり続けるでしょう」。
3回目となる今回は、100ヶ国以上から2500点を超える作品が集まり、その中から専門委員会が29組のファイナリストを選出。選考過程では、技術的成果、革新性および芸術観という点において優れた作品であることが重視されたという。
ファイナリストの中には日本人も多く含まれ、約3分の1にあたる10名が日本人という結果となっている(うち3名はイギリスベース)。
このファイナリストの作品を一堂に展示する展覧会は、2019年6月26日から7月22日まで、東京・赤坂の草月会館にあるイサム・ノグチ作の石庭「天国」にて開催。賞金5万ユーロが授与される優勝者は、11名で構成される審査委員によって同展のオープニングイベントで発表される。なおファイナリストの一覧は次の通り。
平井明子、アンドレア・ウォルシュ、アニー・ターナー、デロス・ウェバー、エルカ・サダ、Fang Jingfeng & Dong Mi、石塚源太、ジャンパオロ・バベット、ジョヴァンニ・コルヴァヤ、ハリー・モーガン、Heeseung Koh、エナル・イグレシアス、ジム・パトリッジ & リズ・ウォルムズリー、ジョン・エリック・バイヤーズ、ヨクム・リンド・ジェンセン、森順子、高樋一人、井尾鉱一、Kye-Yeon Son、Youngsoon Lee、西川雅典 、中田真裕、ミハル・ファーゴ、Minhee Kim、ルット・ペータース、藤掛幸智、道川省三、ソフィー・ローリー、橋本知成