NEWS / HEADLINE - 2019.1.17

前代未聞の事態。シンガポールでアートフェアが開催直前に中止へ

2011年に始まり、今年で9回目の開催を迎えるはずだった「アート・ステージ・シンガポール」が、1月25日の開幕を目前に中止されることが明らかになった。同フェアはこれまでも開催が危ぶまれてきた経緯がある。

2018年のアート・ステージ・シンガポールの様子

 シンガポールで2011年から開催され、今年で9回目の開催を迎えるはずだったアートフェア「アート・ステージ・シンガポール」が、開幕を目前に開催中止となることが明らかになった。

 アート・ステージ・シンガポールは、「マリーナベイ・サンズ」の巨大なコンベンションホールを舞台に開催されてきた東南アジアでもっとも巨大なアートフェア。しかしながら近年はその求心力低下もささやかれ、参加ギャラリー数は16年に170、17年に131、18年に80と年々減少。今年はわずか45まで落ち込んでおり、開催前からその実施を危ぶむ声もあった。

 同フェアのディレクターは、アート・バーゼルの元ディレクターであるロレンツォ・ルドルフ。「The Art Newspaper」によると、参加ギャラリーは16日にルドルフから中止を伝えるメールを受け取ったという。

 シンガポールにもスペースを構えるミヅマアートギャラリー代表・三潴末雄は、「主催者が参加ギャラリーのことを考えなかった結果だ」と語る。

 「17年に参加した際、すでにメジャーギャラリーは撤退しており、このままではダメだと感じました。昨年のフェア開催時、ルドルフは『アート・ステージ・シンガポールがなくなればシンガポールのアートシーンは終わりだ』という旨の発言もしており、これが大きな反感を買いました。彼らはいつでもシンガポールではアウェイだった。もっとコミットするべきだったんです」。

アート・ステージ・シンガポールウェブサイトより

 シンガポールでは、毎年この時期に都市全体を巻き込んだ「シンガポール・アート・ウィーク」が開催されており、今年はギルマンバラックスで26ギャラリーが参加する新たなイベント「S.E.A. Focus」がスタートするなど、アートシーンはますます加速している。

2018年の「シンガポール・アート・ウィーク」の様子

 加えて今年11月には、アート・ステージに取って代わるように新たなアートフェア「ART SG」がマリーナベイ・サンズで開催予定。これは、世界最大のアートフェア「アート・バーゼル」などを手がけるスイスのMCHグループによるもので、その強固なネットワークが生かされることが予想される。

 今回のアート・ステージ開催中止は、主催側の慢心が招いた事態であることは否定できないだろう。