2018.9.14

隈研吾事務所が設計。V&Aの別館がスコットランドに開館

スコットランド初のデザイン美術館であるV&Aダンディが9月15日に開館を迎える。隈研吾建築都市設計事務所が設計した同館は、建築と自然環境が調和したスタイルが特徴。スコットランドの新しいランドマークや文化的な中心となることが期待されている。

V&Aダンディ © Hufton+Crow
前へ
次へ

 ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の分館として、スコットランド初のデザイン美術館であるV&Aダンディ(V&A Dundee)が、9月15日に誕生する。

 スコットランド北部の都市・ダンディのウォーターフロントに位置する同館は、隈研吾建築都市設計事務所によって設計され、スコットランドの新しいランドマークや文化的な中心地となることが期待されている。

 敷地はダンディ市のテイ川に面し、建築の中央に水平に貫通する大きな「孔」が設けられている。ダンディ市の中心軸であるユニオンストリートと、テイ川の美しい自然がこの「孔」を介してつながるようになっており、環境調和型デザインとなっている。

 建物は、コンクリートを水平に積み重ねることで陰影と変化のあるファサードをつくり出し、スコットランドの崖の美しさを建築的に表現。

 今後同館では、V&Aのコレクションをはじめ、地元スコットランドや世界中の美術館のデザインコレクションが展示される。隈研吾は、「V&Aダンディが都市を変え、その中心になることを願っています。これは私にとって初のイギリスでの作品であり、世界中から人々が訪れてほしいです」とコメントしている。

 なお、「遠洋定期船:スピードとスタイル」と題されたこけら落とし展では、1859年のブルネル蒸気船から1969年のクイーン・エリザベス2まで、大洋航路船の工学やインテリアデザイン、船上のライフスタイルなどに注目した展示が行われる。会期は2019年2月24日まで。