EXHIBITIONS

修理完成記念特別展

糸のみほとけ―国宝 綴織當麻曼荼羅と繡仏―

2018.07.14 - 08.26

刺繡釈迦如来説法図(部分) 奈良国立博物館蔵 国宝

 奈良県、當麻寺に収められる国宝・當麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら)の修理完成を記念し、綴織と刺繡によって表された仏の像が集う特別展が開催される。

 日本古代より「糸」を用いた仏の像が数多くつくられ、花形的存在として大寺院の本尊とされた。綴織當麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら)や刺繡釈迦如来説法図(ししゅうしゃかにょらいせっぽうず)は、その隆盛の様を伝える至宝である。また、糸を縫い、織る行為は故人の追善につながり、聖徳太子が往生した世界を刺繡で表した中宮寺の天寿国繡帳(てんじゅこくしゅうちょう)などが生み出された。

 鎌倉時代以降には、仏行に励み、仏の助力を得て一晩で《當麻曼荼羅》を織った伝説上の人物・中将姫に対する信仰によって、刺繡の仏は再び隆盛を迎える。極楽往生を願う人々は、受難を受けてなお精進し、極楽浄土に導かれた中将姫に自身を重ね、《阿弥陀三尊来迎図(あみださんぞんらいごうず)》や《種子阿弥陀三尊図(しゅじあみださんぞんず)》を制作した。
 
 本展では、天寿国繡帳、當麻曼荼羅、釈迦如来説法図の国宝3点を同時に展示し、「糸」による仏の世界の魅力を紹介する。