「もにゅキャラ」とは一体なにか?「3・11以降の現実と非現実をつなぐアート」の討論会が開催

日本全国のマンガやアニメの登場人物をモデルにした銅像=モニュメントになったキャラクター「もにゅキャラ」。この「もにゅキャラ」の提唱者である楠見清によるフォーラム「もにゅキャラ考2 3・11以降の現実と非現実をつなぐアート」が2018年3月11日に国立新美術館の講堂にて開催される。

パルコキノシタ バンダアチェ(インドネシア)での滞在制作風景 2017

 「もにゅキャラ」という言葉をご存知だろうか。首都大学東京大学院准教授・楠見清が提唱する、日本全国のマンガやアニメの登場人物をモデルにした銅像=モニュメントになったキャラクターのことだ。楠見は「もにゅキャラ」を現代の公共芸術として位置づけ、ゼミ生とともに「もにゅキャラ」の公共彫刻やメディア論、地域文化やツーリズムなどの観点から、その社会的・文化的な状況を調査してきた。

首都大学東京大学院もにゅキャラ研究チーム『日本全国もにゅキャラかるた』より 2018

 そして東日本大震災から7年目を迎える3月11日、首都大学東京大学院メディア創生フォーラム「もにゅキャラ考2 3・11以降の現実と非現実をつなぐアート」が開催される。

 本フォーラムでは、アートと震災復興、現代のモニュメントと情報が反映する政治性や大衆性をテーマに、報告とディスカッションが行われる。

 楠見の基調講演のほか、大学院生による「もにゅキャラ」の継続的なリサーチの研究発表、パルコキノシタと中島晴矢ら現代芸術家らは「震災とアーティスト―リアリズムとファンタジー」と題した報告をする。そのほか、大学院生が制作した「日本全国もにゅキャラかるた」によるゲーミフィケーションなどの発表に加え、東京藝術大学大学院教授の毛利嘉孝や首都大学東京大学院大学准教授の渡邉英徳、首都大学東京大学院助教の日高良祐らを交えたパネルディスカッションが予定されている。

中島晴矢 ペネローペの境界 2015

 楠見は「非実在人物であるキャラクターが現実空間に実体化する──それはいま電子書籍によって失われていく書物の物質性を補完する装置なのかもしれません。物語はいかに共有されるか──ここからはパブリケーション(出版)とパブリックネス(公共性)の関係性が浮かびあがってきます。」と語る。2011年から7年が経過するいま、震災とモニュメントについて考察する機会となるだろう。

渡邉英徳 東日本大震災アーカイブ 2015

編集部

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