玉山拓郎は、立体やファウンド・オブジェクトをベースとしながら、展示空間に合わせた精緻なインスタレーション作品を制作。近年では、インスタレーションに映像を加えることで、鑑賞者の居場所を不確かにするような入れ子状の空間を展開している。
いっぽう山本悠は、緩やかな筆致によるドローイングで、おおらかでありながら事物の本質を風刺的に描き出す作品を制作。また、下側が黄色く塗り分けられた紙を円筒形に丸めて渡す「フリービール」などのパフォーマンス作品でも知られている。
本展では、2人のインスタレーションとイラストレーションがつくり出す空間によって、「追憶や内省が否定された後の、世界の残像と美と享楽」が提示される。