日本の山河と人々を愛した画家・川合玉堂。没後60年の記念回顧展が開催

日本画家・川合玉堂の没後60年を記念し、山種美術館で「特別展 没後60年記念 川合玉堂ー四季・人々・自然ー」が開催される。会期は10月28日~12月24日。

川合玉堂 屋根草を刈る 1954(昭和29) 紙本・彩色 東京都蔵

 日本の豊かな自然を見つめ、そこに暮らす人々の姿を叙情豊かに描き出した川合玉堂(1873〜1957)。没後60年となる今年の秋、その画業をたどり、玉堂の芸術を紹介する回顧展が、山種美術館で開催される。

川合玉堂 山雨一過 1943(昭和18) 絹本・彩色 山種美術館蔵

 愛知県に生まれ、岐阜県で育った玉堂は、14歳で京都の画家・望月玉泉(もちづきぎょくせん)に入門。17歳で画家としてデビューしてからは幸野楳嶺(こうのばいれい)に師事し、23歳で上京したのち、橋本雅邦(はしもとがほう)のもとでさらなる修行を積んだ。

 若い頃から風景を好んで描いていた玉堂は、伝統的な山水画から近代的な風景画へと新たな境地を開拓。東京画壇の中心的存在となり、1940年には文化勲章を受章した。

川合玉堂 彩雨 1940(昭和15) 絹本・彩色 東京国立近代美術館蔵 【後期展示】
川合玉堂 早乙女 1945(昭和20) 絹本・彩色 山種美術館蔵

 本展では、《鵜飼(うかい)》(1895)や《彩雨(さいう)》(1940)、《屋根草を刈る(やねくさをかる)》(1954)など、初期から晩年にいたる代表作を中心に約80点が出品。家族や画家、詩人との交流がうかがえる多彩なエピソードを交えつつ、日本の風景を愛した玉堂の魅力に迫る。

編集部

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