長島有里枝は1973年東京都生まれ。武蔵野美術大学在学中の93年、家族とヌードで撮影したセルフ・ポートレートで「アーバナート#2」展パルコ賞を受賞し、注目を集める。2001年には、写真集『PASTIME PARADISE』で第26回木村伊兵衛写真賞を受賞。近年では、10年にエッセイ集『背中の記憶』で第26回講談社エッセイ賞を受賞するなど、写真以外にも活動の幅を広げている。
本展では、初期を代表するセルフ・ポートレートのシリーズから、作家の祖母が撮影した古い写真に着想を得て、スイスのアーティスト・イン・レジデンスで制作された「SWISS」(2007)、女性のライフコースをテーマに作家が母とともに制作した新作「家族について/about home」(2016)などのシリーズを展示。
デビュー以来24年間、社会における「家族」や「女性」のあり方への違和感を作品で問い続けてきた長島の歩みを総覧するとともに、パーソナルかつポリティカルな視点にもとづく写真表現の可能性を探る。