江戸絵画と現代美術が共鳴。福田美術館で「Timeless Code 現代⇔江戸」が開催へ

京都・嵐山の福田美術館で、江戸絵画と草間彌生、奈良美智、加藤泉、西村有、今井麗といった現代の美術家による作品約70点が時代を超えて対峙する企画展「Timeless Code 現代⇔江戸」が開催される。会期は2027年1月30日〜6月6日。

奈良美智《Are You Staying True to You?》 (1997) 福田美術館蔵 通期展示 © YOSHITOMO NARA

 京都・嵐山の福田美術館で、江戸絵画と現代の美術家による作品約70点が時代を超えて対峙する企画展「Timeless Code 現代⇔江戸」が開催される。会期は2027年1月30日〜6月6日。

   2019年の開館以来、近世・近代の日本画を中心にコレクションを展開してきた福田美術館は、2023年より現代美術の蒐集を開始。2025年11月には奈良美智や加藤泉の立体作品を庭園内に設置するなど、日本美術の多様な変容を提示してきた。本展はこうした試みの延長として、世界的な評価を高める日本の現代美術のアーティストと、江戸時代を代表する巨匠たちの作品を比較展示し、時代や社会の枠組みを超えた共通の表現構造や精神性を浮き彫りにする試みとなる。

全4章で江戸絵画と現代美術を対比

 会場は全4章で構成。第1章「内なる象(かたち)」では、奈良美智の初期から40代前半の作品を中心に、浮世絵を背景にした「UKIYO」シリーズや、《真夜中のネコ型ロボット》(2002)などを展示。旅を通じて内面を見つめ直した奈良の思索を、同じく全国を旅して文人画の理念を体現した池大雅の山水図や長沢芦雪の作品と対比させる。

池大雅《早春水郷図》(18世紀) 福田美術館蔵 通期展示
草間彌生《Pumpkin》(1990) 福田美術館蔵 通期展示 © YAYOI KUSAMA ※画像転載不可
伊藤若冲《蕪に双鶏図》(18世紀) 福田美術館蔵 前期展示

 第2章「草間彌生⇔伊藤若冲」では、無数の水玉や網目を反復させて自己の消滅と宇宙への帰還を試みる草間彌生の画面と、庭の鶏を緻密に観察しその姿を幾度も描き止めた伊藤若冲の表現に着目。細部への執着と反復の技法が生み出す、両者の生命の躍動感を検証する。

加藤泉《無題》(2024) 福田美術館蔵 通期展示 ©2024 IZUMI KATO
白隠慧鶴《海老図》(18世紀) 福田美術館蔵 前期展示

 第3章「加藤泉⇔江戸」では、神秘的な「人がた」を手がける加藤泉の立体作品や初公開の平面作品、京友禅の老舗「千總」とのコラボレーションによる着物《無題》を出品。これを、民衆に直感的なメッセージを伝えるべく型破りな表現を展開した江戸時代の禅僧・白隠慧鶴の禅画や書と並列し、観者の心理を揺さぶる造形力に迫る。

 第4章「響き合う二つの世界:西村有と今井麗」では、多摩美術大学の同級生であり世界的に注目を集める西村有と今井麗の作品を取り上げる。軽やかな筆致で日常の気配を描く西村と、身近な静物を古典的油彩技法と強い光で描き出す今井という、互いに異なる表現技法のなかに流れる不思議な調和を提示する。

 初公開作品4点(池大雅3点、加藤泉1点)を含む約70点の作品を通して、約200年の時をへだてたアーティストたちの作品が響き合う、新たな鑑賞体験の場となりそうだ。

編集部