神戸ファッション美術館で特別展「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」が開催。「新版画」の版元の足跡をたどる

神戸ファッション美術館で、近代日本において「新版画」を確立した版元・渡邊庄三郎(1885〜1962)の活動を辿る特別展「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」が開催される。

川瀬巴水 東京十二題 春のあたご山 1921 渡邊木版美術画舗版/㈱渡邊木版美術画舗蔵

 兵庫・神戸の神戸ファッション美術館で、近代日本において「新版画」を確立した版元・渡邊庄三郎(1885〜1962)の活動を辿る特別展「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」が開催される。会期は1月31日~3月29日。

 渡邊は17歳で浮世絵商に勤め、バレン摺りによる木版画の美に魅せられる。明治以降衰退していた錦絵の復興と、新たな表現の創出を志し、1909年に東京・京橋で渡邊版画店(現・渡邊木版美術画舗)を設立後、江戸時代以来の絵師・彫師・摺師による協業体制を継承。高品質な素材と高度な手摺り技法を駆使した木版画制作に取り組んだ。その成果は、大正から昭和初期にかけて国内外で広がる「新版画ムーブメント」を牽引することとなる。

 展覧会は5章構成。第1章「新版画」の誕生では、新版画誕生の起点となった渡邊の初期の試みを紹介する。1915年、日本に滞在していたオーストリア人画家フリッツ・カペラリの水彩画に触発された渡邊は、外国人画家の作品を木版画として制作するという新たな可能性に踏み出した。さらに伊東深水や川瀬巴水といった新進気鋭の画家たちと協働し、江戸時代から続く絵師・彫師・摺師の分業体制を基盤としながらも、より高い芸術性を志向した新しい木版画制作へと展開していく。

チャールズ・W・バートレット 神戸の雨中 1916 渡邊木版美術画舗版/㈱渡邊木版美術画舗蔵

編集部