ヨックモックミュージアムでピカソ・ミロ・バルセロのセラミック展が開催へ。3世代の巨匠が示す陶芸表現と土地へのまなざし

　ヨックモックミュージアムで、「ピカソ・ミロ・バルセロのセラミック―カタルーニャへの愛―」展が2026年2月10日〜12月20日に開催される。監修はスペイン美術研究者の松田健児（慶應義塾大学教授）が務める。

　本展は、スペイン美術を代表するパブロ・ピカソ、ジュアン・ミロ、ミケル・バルセロの三者を、セラミック作品を軸に紹介するもの。地中海に面するスペイン北東部カタルーニャという土地と、彼らの創作がいかに深く結びついていたかを、歴史的背景とともに読み解く。

　自治と文化的独自性を希求してきたカタルーニャは、スペイン内戦とフランコ独裁体制のもとで厳しい抑圧を経験した地域である。ピカソは青春時代をバルセロナで過ごし、内戦後は自発的亡命者としてフランスに拠点を移しながらも、カタルーニャへの支援を続けた。ミロにとっても、モンロッチの風景は生涯にわたる創作の原風景であり、後年を過ごしたマジョルカ島は、次世代作家であるバルセロとも文化的記憶を共有する場となった。