哲学者ホイットニー・デイヴィスの著作『Queer Beauty』から着想を得ており、クィアの美意識を「抑圧から脱却し、世界を再構築するための方法」ととらえるホー。美が贅沢品ではなく「精神的サバイバルの必需品」として機能し得る点を重視し、個人的記憶や儀式性を織り交ぜながら、空間全体をひとつの体験として提示するという。

会期中は、内海潤也(公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館学芸員)によるギャラリートークや、Andromeda、Nixie Humidityによるドラァグクイーン・パフォーマンスも予定され、作品理解を深める関連プログラムとして構成されている。

繊細な素材へのまなざしと、東アジアの絵画・工芸技法を取り込みながら展開されるホーの作品は、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる個人的な経験と、より普遍的な「生の不安と希望」とを静かに結びつける。本展では、その新たな展開を俯瞰する機会となる。
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