本展では、1964年から1990年にかけてのアジアにおける足跡を多角的に検証する。アッサンブラージュ、写真、テキスタイル、ドローイング、版画、アーカイブ資料など40点以上の作品に加え、1964年の東京での伝説的パフォーマンス、1975年のインド滞在、信楽での制作など、初期の交流からROCI期までを時系列で紹介。ラウシェンバーグと直接交流したアジアのアーティストの作品も展示し、地域を超えた対話と相互作用を可視化する。

展覧会は2部構成で、第1部では日本、インド、中国との初期交流に焦点を当て、「Unions」(1975)、「Jammers」(1975–76)、「Japanese Recreational Clayworks」(1982–83/1985)などのシリーズを通して、異文化との接触が制作にどのような変化をもたらしたかを検証する。第2部ではROCIのアジア地域における活動を紹介する。1985年の「ROCI CHINA」は中国国内で初めての西洋現代美術展として歴史的意義を持ち、「ROCI TIBET」は西洋作家による唯一の個展として知られる。賛否を呼びつつも、同プロジェクトは1990年代以降のアートのグローバル化を先取りした試みとして再評価されている。

M+館長スハニャ・ラフェルは、「ラウシェンバーグがアジアで育んだ文化的交流を包括的に紹介できることを誇りに思います。本展は、アジアの視覚文化を国際的文脈のなかに位置づけるというM+の使命を象徴するものです」とコメント。
企画を担当したM+シニア・キュレーターのラッセル・ストーラーは、「職人や現地文化との出会いは、ラウシェンバーグ自身の実践を大きく広げ、今日のアートにも受け継がれる重要な対話を生み出しました」と述べた。
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