国松希根太の美術館初個展。「連鎖する息吹」が十和田市現代美術館で開催【2/3ページ】

 国松は00年代初頭より、北海道中南部の白老から内陸に位置する飛生の旧小学校を改造した「飛生(とびう)アートコミュニティー」を拠点に活動してきた。北の大地で長い年月を経て独自のフォルムを形成した木々と出会うことで作品を制作し、近年はとりわけ地平線や水平線、山脈、洞窟などの風景のなかに存在する輪郭(境界)を題材に彫刻や絵画、インスタレーションなどを発表している。木の表面や内部に鑿(のみ)などの刃や火を入れたり、鉱物や雪など大地の素材に向き合い生まれる作品は、国松と自然との一期一会のコミュニケーションといえる。

参考写真 《WORMHOLE》2024年 札幌国際芸術祭2024 展示風景 撮影=藤倉翼

 また、国松は2009年より飛生アートコミュニティーにおいて敷地内の森を守りながら飛生芸術祭を開催。また2015年よりAyoro Laboratoryとして近隣のアヨロと呼ばれる地域を中心に土地を探索するフィールドワークを展開している。

編集部