イタリア館の《ファルネーゼのアトラス》、大阪市立美術館で展示へ。ダ・ヴィンチ手稿も新たに日本初公開【2/3ページ】

ペルジーノとダ・ヴィンチも

 今回の特別展では、このほかにもイタリア館からラファエロの師・ピエトロ・ヴァンヌッチ(通称ペルジーノ、1450頃〜1523)による《正義の旗》(1496)も出品される。

ピエトロ・ヴァンヌッチ(通称ペルジーノ、1450頃〜1523)による《正義の旗》(1496)

 《正義の旗》の画面は上下2段で構成されており、上部にはセラフィムと踊る天使たちに囲まれた聖母子が、下部には祈りを捧げる聖フランチェスコと聖ベルナルディーノ・ダ・シエナ、そして頭巾を被った信者を含む群衆が描かれている。ウンブリア国立美術館(ペルージャ)が所蔵する本作はもともと聖ベルナルディーノ信徒会が行列用の旗(ゴンファローネ)として依頼したものであり、そのため地域的なアイデンティティが強く込められている。

 加えて、アンブロジアーナ図書館が所蔵するレオナルド・ダ・ヴィンチの『アトランティコ手稿』(1478〜1518)は、イタリア館で展示されたものとは異なる紙葉が日本初公開される。デッサンと注釈で構成されたこの手稿は、精神、科学、芸術、工学に対するダ・ヴィンチのユニークな洞察が1119枚にわたって収められたもの。今回出品されるのは、第156紙葉 表《水を汲み上げ、ネジを切る装置》(1480〜82頃)と第1112紙葉 表《巻き上げ機と油圧ポンプ》(1478頃)の2点で、いずれも水の都・大阪と関連性を持つテーマのものが選ばれた。