三連休に見たい展覧会ベスト15。ポール・ケアホルムからLOVEファッション、塩田千春まで【4/5ページ】

「西川勝人 静寂の響き」(DIC川村記念美術館

展示風景より

 2025年1月下旬から休館が決まったDIC川村記念美術館で、「西川勝人 静寂の響き」が9月14日に開幕する。

 西川勝人は、自然との融合を意識したプロジェクトや、彫刻、平面から家具まで、異なる造形分野を横断しながら制作するアーティスト。シンプルな構造と簡素な素材を用い、光と闇、そのあいだに広がる陰影について示唆に富んだ作品を生み出し続けている。

 本展は、1980年代より現在まで、一定して静けさという特質を保持し続ける西川作品の美学に触れる日本初の回顧展となる。彫刻、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物の約70点が、作家自身の構成によって展示される。

会期:2024年9月14日~2025年1月26日
会場:DIC川村記念美術館
住所:千葉県佐倉市坂戸631
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:09:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、祝日の場合は翌平日)、12月24日〜1月1日
料金:一般 1800円 / 学生・65歳以上 1600円 / 高校生以下 無料

「空の発見」(渋谷区立松濤美術館

展示風景より

 日本の美術史において「空」の表現の変遷を探る展覧会「空の発見」が渋谷区立松濤美術館で開催される。

 日本の美術のなかでは、近世になるまで「空」を現実的に描こうとする意識は希薄だった。近世になると、西洋絵画などの影響をうけ、洋風画や泥絵、浮世絵などに青空が広がり、明治以降では、本格的な西洋画教育や、科学的な気象観測の導入をうけ、刻々と変化する雲や陽光を写しとろうとする画家たちが登場する。

 ところが次世代には、表現主義やシュールレアリスムなどの新潮流の影響のなか、自らの心象をこの空間に托すように多様で個性的な「空」を描く画家たちが続くといえる。そして現代では、かつて従属的であった「空」を中心に据えることで、表現に活路を見出すアーティストたちも現れる。

 本展では、こうした「空」の表現の変遷を通じて、そこに映し込まれる人々の意識の揺らぎを浮かび上がらせようとするもの。

会期:[前期]2024年9月14日~10月14日、[後期]2024年10月16日~11月10日
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
電話番号:03-3465-9421
開館時間:10:00~18:00(金~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日、9月24日、10月15日、11月5日
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 高校生、60歳以上 500円 / 小学・中学生 100円

「建物公開2024 あかり、ともるとき」(東京都庭園美術館

メインヴィジュアル

 東京・目黒の東京都庭園美術館で、毎年恒例となっている、旧朝香宮邸(現・東京都庭園美術館本館)の建築の魅力に迫る建物公開展が9月14日から開催される。

 旧朝香宮邸は、1920年代にフランス・パリに滞在していた朝香宮夫妻が触れた、当時全盛期だったアール・デコの様式美がふんだんに取り入れられている。フランスの装飾美術家アンリ・ラパンが主要な部屋の室内装飾を手がけ、宮内省内匠寮の技師らが全体の設計を担い、日仏のデザインが融合する形で完成した建築となっている。

 今回は、この建物のみどころのひとつと言える「照明」に焦点を当てる。各室の照明に関する解説、資料を通して旧朝香宮邸の魅力に迫るとともに、同時代のランプ類を展示する。また、本館の窓のカーテンを開け放ち、自然の光を感じる空間で、宮邸時代の家具や調度を用いた再現展示を楽しむことができる。

会期:2024年9月14日~11月10日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:03-3443-0201 
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)9月17日、24日、10月15日、11月5日
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 高校・中学生 500円

編集部

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